お話を伺ったのは……熱海康太さん
小学校教諭。小説の連載、講演、セミナー、動画制作なども行い、パラレルキャリアを形成している。著書に、『「明るさ」「おだやかさ」「自立心」が育つ 自己肯定感が高まる声かけ』(CCCメディアハウス)、『伝わり方が劇的に変わる! 6つの声を意識した声かけ50』(東洋館出版社)、『学校経営と授業で大切なことは、ふくろうのぬいぐるみが教えてくれた』(黎明書房)など。SNSでも情報発信中!
『今日から使える!宿題のもやもやスッキリ術 』
著者:熱海康太
価格:1,430円(税込)
出版社:実務教育出版
読書感想文はなぜ難しい?
「読書感想文は、宿題の中でもダントツに難しい」と熱海さん。何を書いてもいい、書いたらいけないことがない「自由なもの」だからこそ、難しいのだとおっしゃいます。
そもそもサポートする私たち親自体、読書感想文の書き方を忘れてしまっていますよね。子どもに「どう書くの?」と聞かれてもうまく答えられない原因は、そこにあるようです。
今回は、子どもが読書感想文をスムーズに書くためのサポートの極意を紹介します。
コツ1:読んだ本ではなく「自分のこと」から書き始める
本のあらすじをできるだけ長く書いて、ラスト数行に感想を書いてフィニッシュ! これは子どもの読書感想文のありがちパターンですが、「読書感想文の主役は、本の内容ではない」と熱海さん。
とくに出だしは、あえて本のことは書かないと決めて、代わりに「子ども自身のこと」から書き始めることがおすすめと熱海さんはおっしゃいます。
たとえば、
「わたしはバレエを頑張っています」
「ぼくは特技を作りたいです」
「じつはいま、○○に悩んでいます」
など、本を読む前の子ども自身のことから書き出すと、筆が滑り出しやすいそうですよ!
コツ2:その本から学んだことを書く
次に、「子どもがその本に出合ってどんなことを思い、どう変わりたいと思ったのか」という話題に展開していきます。
たとえば、
「主人公の○○もサッカーをがんばっていて、努力し続けることの大切さがわかった」
「友達を作るには勇気を出す必要があることがわかった」
など、本の内容と子どもがつながるように書くのがコツ。
よくわからないと話す子どもには、「本のどこがいちばんおもしろかった?」「どんな場面で心が動いた?」と質問して、感じたことを引き出してみましょう。「主人公はこうしたけど、あなただったらどうしたと思う?」と、主人公と子ども自身を置き換えるように促すのもおすすめです。
コツ3:最後は「目標」で締めくくる
最後は、「子どもの決意」で締めくくりましょう。「世界を平和にしたい」など、壮大すぎると焦点がぼやけてしまいます。おすすめは、今日から取り組める小さな決意を引き出すこと。
「ピアノの演奏がうまくいかなくても、練習を工夫して乗り越えたい」
「すぐに勇気を出せるかわからないけど、勇気が大切だとは思っておこう」
など、本を読んだあとにどうしていきたいかで締めくくります。
こうすると、本を読む前と読んだあとの子どもの変化を、読書感想文のなかでうまく表現できるそうですよ!
子どもにとって心理的ハードルが高い「読書感想文」も、サポートのコツがわかれば怖くありません。
熱海さんのアドバイスを参考に、夏休みを親子ともに笑顔で過ごしていきたいですね。