お話を伺ったのは……熱海康太さん
小学校教諭。小説の連載、講演、セミナー、動画制作なども行い、パラレルキャリアを形成している。著書に、『「明るさ」「おだやかさ」「自立心」が育つ 自己肯定感が高まる声かけ』(CCCメディアハウス)、『伝わり方が劇的に変わる! 6つの声を意識した声かけ50』(東洋館出版社)、『学校経営と授業で大切なことは、ふくろうのぬいぐるみが教えてくれた』(黎明書房)など。SNSでも情報発信中!
『今日から使える!宿題のもやもやスッキリ術 』
著者:熱海康太
価格:1,430円(税込)
出版社:実務教育出版
夏休みの宿題が溜まってしまったら
夏休みの宿題はふだんより量も種類もかなり多く、計画的に取り組まないと、あっという間に溜まってしまいます。山積みになったまっ白の宿題を眺めながら、見てみないフリをする子どももいるかもしれません。子どものやる気をうまく引き出すには、どうしたらいいのでしょうか?
今回は、溜まった宿題を子どもがグングン進めるための4つのポイントを紹介します。
ポイント1:わからない問題は、ひとまず飛ばす
気持ちを奮い立たせて机に向かってみたものの、5分後には机で鉛筆をイジイジ。そんな子どもの姿に、つい「早くやりなさい!」などと言いたくなるかもしれません。でもその子どもの様子は、わからない「沼」にハマっているサインなのかもしれません。
「そんなときは、わかる問題から答えていい」と熱海さん。スラスラできる問題から先に解き、わからない問題は目立つ印をつけてスキップ。順番にこだわらず、いったん最後まで手をつけるようにうながしてみましょう。
そしてひと通り終わったら、「わからなかった問題を再チャレンジしてみよう!」と持ちかけてみましょう。
改めて取り組んでみると、問題の見方が変わって、難しいと感じた問題が解けることもあるそうですよ!
ポイント2:まず「5分だけ」やってみる
取り組むまでに時間がかかるタイプの子どもには、「5分だけやってみたら?」と提案してみましょう。キッチンタイマーを5分にセットして、宿題をスタート。5分後にタイマーが鳴ったら、どんな状況でも必ずそこで終了します。たとえもっとやりたいと言われても、絶対に5分間で止めることがポイントです。
「こうすれば、おどろくほど集中できる」と熱海さん。しかも、宿題が中途半端に残るので、「食事の前にもう5分だけやろうかな」と、子どものほうから言い出すこともあるそうですよ。
ポイント3:やることをいっしょに書き出してみる
「夏休みの宿題=たくさんある」という先入観から、身動きが取れなくなる子どももいるかもしれません。そんなときは、やるべきことを書き出すといいと熱海さん。
「夏休みの宿題って、あと何が残ってるんだっけ?」と子どもに質問して、いっしょに紙に書き出してみましょう。
やることを書き出したら、次はやる順番を考えて、番号を付けていきます。取り組んでいるタスクが終わったら、子ども自身に線を引いて消し込みしてもらいましょう。
書き出すことで見通しがわかって安心でき、完了マークをつけることで達成感を味わえます。
ポイント4:小さな達成感を積み重ねる
やる気を保つには、「できた!」という達成感を得ることが非常に大事になると熱海さん。やるべきことをできるだけ小分けにして、多くの「ゴール」を用意することで、達成感が得やすくなるとおっしゃいます。
たとえば、30分かかる宿題を、5分・10分・15分に分けて進めるように子どもに話してみましょう。「達成感」という心の栄養をこまめにとることで、快適な気持ちで宿題を進められるそうですよ!
今回紹介した4つの方法を組み合わせれば、溜め込んでいた宿題もグングン進んでいくはず。親が家事や仕事に取り組むときにも参考になるアイデアですね!