気持ちをわかってくれないパートナーにイライラ
「私のパートナーは人の話を聞けないんです。愚痴を言うと求めてもいないアドバイスをしてくるし、私が怒っても全然反省しない。人の気持ちがわからないって発達障害ですよね?」
ただ聞いてほしいだけなのにアドバイスをされたり、反応が薄かったりするとイライラしてきますよね。このパートナーは本当に発達障害なのでしょうか。
たしかに、発達障害の診断を受ける人はコミュニケーションの不得手さや社会性の乏しさ等の特徴があります。
しかし、夫婦間の意思疎通がうまく図れない場合全てに発達障害が潜んでいるわけではありません。
- 職場や友人関係全般にコミュニケーション上の難しさが生じているか。
- 男女の思考、捉え方の相違に留まらない領域かどうか。
- 意思を伝える側の話し方に問題はないか。
- 幼少期から続いている問題か、最近始まった問題か。
夫婦間でのみ問題が生じている、周囲の人は気にしていない場合は、一概に発達障害とは言えません。
今生じている問題を冷静に見つめなおす視点も大切です。
診断を受けることのメリット・デメリット
- 傷つく言葉を繰り返し言われ、落ち込む日々が続いている。
- 家庭外でも対人関係の問題が生じており、相手の失態に対するフォローが必要。
- パートナー本人も他者とのコミュニケーションについて困っている。
コミュニケーションが原因で精神的な不調を抱えている、家庭外まで問題が及んでいる、夫婦両者が困難を感じている場合には、医療機関に相談するのもひとつです。
診断には、理由がわかり安心する、具体的な対処法を専門家から聞けるなどのメリットがあります。
しかし、診断がついたからと言っても解決に至らないケースも多いです。
むしろ一方的にレッテルを貼られたと感じると、関係性が悪化する場合すらあります。
コミュニケーションを改善したい気持ち、歩み寄る姿勢がお互いになければ、解決には繋がりません。
パートナーが発達障害かどうかを明らかにするのが目的ではなく、夫婦間の意思疎通をどのように改善していけるかを目的にするのも大切です。
今一度見直したい夫婦間での得意・不得意
ネガティブな感情を表に出せない
”辛さや弱音を相手に伝えて受け取ってもらいたい、気持ちを大切に労わってもらいたい。”
愚痴や悩みを共有しながら、お互いに支え合っていきたいと考える方は多いと思います。
一方、”感情を表に出すのを良しと思わない、愚痴や不満、心配事など弱みを話したくない。”
そのような「強くあるべき」固定観念もまだ根付いているように思います。
自身の気持ちに鈍感であると、他人の感情の揺れや気分にも鈍感になっていきます。
相手のネガティブな感情に鈍感なのは一見短所に見えますが、自分を揺るがなく保つ上では強みにもなりえます。
「共感には得意不得意があり、短所でもあり長所にもなりえる」・「誰もが持つべき当然のスキルではない」という認識も大切です。
不満を上手く説明できない
「なんか嫌、他の人はこうなのに、とにかくイライラしてるの!」
こんな風に怒りや悲しみを感情的に伝えられても、結局何を改善すればいいのかわからない方も多いのでは。
お互い歩み寄るためのコミュニケーションには伝える側の工夫も必要です。
まずは何を伝えたいのか整理するところからです。
自身で一度紙にまとめたり、話をわかってくれる人に話し、まとまらない気持ちを言葉にしてみるのも有効だと思います。
探すべきは「お互いに歩み寄る方法」
パートナーの特徴に名前が付いても、現状が変わらなければ意味はありませんよね。
探していくべきは、お互いに歩み寄る方法ではないでしょうか。
夫婦両者にとってのよりよい未来に繋がる道を見つけられるといいですよね。