“男性産休”制度が始まった今だからこそ見直したい「共働き夫婦の家事育児の分担」

家族・人間関係

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2022.10.03

臨床心理士・公認心理師のyukoです。10月から男性の産休制度が始まり、社会全体で男性の育児参加を促す流れとなってきました。たしかに共働き世帯が増え、家事・育児を分担する家庭は増えてきましたよね。ですが実際のところ、夫婦のどちらかに負担がかかるのが現状。上手に役割分担する方法を考えていきます。

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分担する上で考えたい3つの視点

夫婦両方から話をおうかがいしていると、家事や育児に全く協力しない方は少なく、「相手の納得いく協力ができていない方」が多い印象があります。

どんな分担方法であれば上手くいくのかを考えてみます。

得意・不得意で分担する

まずはお互いの得意・不得意を見つけ、負担を減らすのが第一です。
洗濯を手際よくできる方もいれば、掃除を綺麗にする方、料理が好きな方など、誰にでも得意・不得意はありますよね。
好きな作業であれば苦痛に思わずに担当できるはずです。

相性の善し悪しで分担する

子育てや義父母との付き合いなど、人が関わる場合は相性の善し悪しでの分担するのもひとつ。
「パパと上の子の趣味が合う親子」や、「義父母との連絡がスムーズなのは夫」など家族の中にも相性はありますよね。

子育て出典:stock.adobe.com

「母・父としての役割」にこだわりすぎず、「家族のストレスが少ない選択」を考えてみるのもおすすめです。

こだわりの有無で分担する

自分以外の人がキッチンには入ってほしくなかったり、お風呂掃除は丁寧にしたかったり。それぞれこだわりポイントをもっている方もいるかと思います。
こだわっているポイントがあると、手伝ってもらっても不満を感じやすくなります。
「自分のペースを崩されたくないもの」と、「相手に任せられるもの」に分けると、お互いに気持ちよく家事に取り組めます。

家事育児を協力するときに心がけたい3つの諦め

夫婦で協力して家を支えていくためには、お互いの心構えも大切です。相手が理想通りに動いてくれれば嬉しいのはもちろんですが、夫婦といえども元は他人。

お互いを思いやりながら協力するために必要な「前向きな諦め」を考えてみます。

「察してほしい」「言わなくても動いてほしい」は難しい。

なんでいちいち言わないとわからないんだろう……と感じている方は多いですよね。
たしかに毎回指示を出すのは疲れてしまいますし、自分でやったほうが早いときもあります。
ですが、家族であっても相手の期待通りに動くのは難しいもの。

分担した業務をリマインドしたり、頼みたいことを具体的な言葉にして伝えるのがおすすめです。
何をどの手順でやってほしいのか、共有のアプリや紙に残しておくのも役立ちます。

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公平性を求めるのは難しい

「私の方が家事をたくさんこなしてる」「俺だって〇時間も取り組んだ」「家庭に収めている給料は私のほうが多い」「でも残業時間は俺のほうが長い」

負担を感じていると、お互いの仕事量を比較したり、相手を責めてしまうときもありますよね。
ただ、家事・育児は、臨機応変に対応すべきことも多く、業務の公平性を求めるのもやはり難しいのかなと思います。

「どっちが多くやっているか」ではなく、「何を頑張ってくれているか」をお互い見ていけるといいですよね。
たまにお惣菜を買ったり、洗濯物を休日まとめてランドリーで洗ったり、生活スタイルに合わせた「ほどよい手抜き」を考えるのもおすすめです。

3割できたら合格ライン

子育てにもいえるのですが、相手に求める期待値は3割を目安にするのがおすすめ。

例えば、「食事を作り、洗い物をして、食器をしまう」までが料理、「洗濯物を干し、アイロンをかけ、片づける」までが洗濯だとしても、どれかひとつをクリアすれば合格点と考えます。

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すべて完璧にしてくれるのが理想ですが、いきなりはなかなか難しいもの。
子どものお手伝いや片づけ、学習も「まずは3割」と多めに見ると、お互いのストレスが減っていきます。

共働きのコツは「上手な分担」と「多めに見る心がけ」

家事や育児を夫婦で機嫌よくこなしている姿を子どもに見せられると、子どもも楽しく前向きにお手伝いができるようになります。

「家族の笑顔を増やすための分担」を考えていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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