「早くお風呂入りなさい」にイライラする娘
生理中で湯船に入れない、最後に入りたい娘に対して「早くお風呂に入りなさい、他の人が入れない」とイラ立つ父親。
娘から見ると無神経な父親だと感じ、父親から見ると反抗期と勘違いしてしまうときもあると思います。
生理やホルモンバランスに関する相談は、思春期の女の子から父親に言いづらいものです。
また、「お腹が痛いのは気のせい」、「病気じゃないのに薬なんて飲むべきではない」など理解が得られずに悩む子も。
月経を経験していない男性からすると、毎月来るお腹の痛みやホルモンバランスの乱れによる辛さを理解しづらいもの。
娘が初潮を迎えたら母親が架け橋となり、生理中の対応を伝えておく必要があります。
夫婦で共有しておきたい「生理の知識」について
まずは「察し方」を知る
父親と生理の話をするのは、思春期の子にとって気まずい可能性があります。
女性特有の話に関しては、父親に「察する力」が求められます。
トイレに黒いビニール袋が現われたら「そういう期間かな」と予想するのが第一。
そして、お風呂の順番やごみの捨て方、旅行などのスケジュール調整に気を配るのが大切です。
生理に関係する症状について
月経による痛みが想像できないと、「悪いものでも食べた?」「気のせいだよ、寝てれば治るよ」など無神経な言葉をかけてしまうケースも。
腹痛だけではなく、けだるさや頭痛、貧血などの症状があることも知っておく必要があります。
また、辛いときにどんな対応が支えになるのかは人それぞれなので、子どもに合わせた配慮を話し合っておくのがベターです。
服薬の必要性について
病気でもないのに薬を飲むのが理解できないひと、少しの痛みなら我慢するものと考えるひとも一定数いるようです。
たしかに以前は、痛み止めを飲むと副作用がある、将来に影響がでるなどの誤った情報もあったよう。
ですが、今は痛みを我慢せずに鎮痛剤を飲むのを勧める産婦人科医がほとんどです。
また、ピルに関する知識も少しずつ広まってきましたが、まだまだ「避妊するために飲むもの」というイメージも根強いよう。
ピルは月経による強い痛みや月経不順を抑えられたり、子宮内膜症のリスクを減らす一助にもなります。
もちろん、一人一人の身体に合わせたものを、医師と相談しながら服用する必要です。
その上で、「女性の身体に必要な薬がある」ことを理解してもらうのも大切だと感じます。
PMSについて
子どもが苛立っていたり、落ち込んでいると、「難しい時期だから」「思春期だから」などの理由で片付けてしまうかもしれません。
母親がホルモンの影響を受けにくい方だと余計に、「なんでうちの娘は情緒不安定なのだろう」と心配になってしまうときも。
PMSによって、イライラや落ち込みだけでなく、食べ過ぎたり、朝起きあがりにくくなったりする子もいます。
そしてその度合いは人によって様々。
子ども自身ではどうにもできないPMSの影響だと理解すると、寄り添った声掛けやそっとしておくなどの対応ができるかと思います。
性別が違うからこそ、言葉で説明していくのが大切
同じ経験をしていれば、なんとなく察することができても、性別が違うと、言葉にされなければ理解しにくいもの。
月経やPMSの話題を家族内でタブーにしてしまうのではなく、正しい知識を共有しておくのが重要。
思春期の娘を一緒に支えるパートナーとして、女性への理解を仰いでいけるといいですよね。