成長の節目で寂しくなる理由
大学進学や結婚などで家を離れるときになりやすい「空の巣症候群」(子どもが成長し家が空っぽになってしまい寂しさを感じること)。
ですが、同じ屋根の下に暮らしていても、子どもの成長においていかれて、心にぽっかり穴があいた感覚になるときがあります。
どんなときに寂しいと感じやすいのでしょうか。
小学校にあがる前後
男の子だと6歳前後、女の子だと小学1-2年生から手を繋いでくれなくなってきます。
誰かに見られるのが恥ずかしかったり、お兄さん・お姉さんのように1人で歩きたい気持ちがでてくるからです。
また、小学校にあがると保護者なしで友達と遊んだり、習い事で忙しくなったり、親と離れて過ごす時間が増えていきますよね。
別々に過ごす時間が増えると同時に、子どもに友達が増え家族から離れていく姿を見ると、寂しく思いやすいようです。
中学校にあがる前後
小学校高学年あたりから、見た目も心も大人に近づいていきます。
大人顔負けに意見を言ったり、親とは違う考えや主張をしたり。
学校の友人や先生、憧れている芸能人に影響されたり、家とは違う面を学校で見せる子も多いものです。
親が知らない面が少しずつ増えていくと、親子の距離が離れていく感覚になりやすいようです。
高校にあがる前後
高校生になると親には話せない隠し事も増えてきます。
そして部活やバイトで家族と過ごす時間が減り、1人の大人として自立していく時期。
大学進学や就職で家から離れる姿も視野に入れると、寂しさもひとしおかもしれません。
子育てを終えていく嬉しさと、置いていかれてしまうような孤独が葛藤する時期にもなりえます。
やはり子どもの進学や卒業などの節目がターニングポイントになりやすいかと思います。
子どもを見守りつつ、親の意識としても、「育児からの卒業」を見据えていくのが大切なのではないでしょうか。
手放すのではなく「見守る姿勢」を作っていくのが大切
「放っておいて」「1人でできるから」
子どもに言われて寂しい気持ちになると「じゃあ勝手にしなさい」と言ってしまうときもあるかもしれません。
突き放された、反抗されたと感じると、少し苛立つのは当然です。
ですが、寂しい気持ちを抑えつつ、親離れを成長の機会と捉え、遠くからこっそり見守る姿勢が一番の支えになります。
子どもの自立に必要なのは、「失敗する機会」と「回復できる居場所」。
長い目で考えたとき、失敗する機会を与えつつ、回復できる居場所で待ってくれていた親の存在は大きく温かいものとなります。
子どもが1人で頑張る姿を見守り、今後に繋がる親子の関係性が築けていけるとよいでしょう。
目を離しても心を繋いでおく
子育て四訓として有名な言葉があります。
乳児はしっかり肌を離すな。
幼児は肌を離して手を離すな。
少年は手を離して目を離すな。
青年は目を離して心を離すな。
手が離れても、親の目の届かない範囲ができても、心が繋がっていれば、本当の意味で離れることはありません。
成長に応じて「離れること」「繋いでおくこと」を変えていけるといいですよね。