教えてくれた人
花王株式会社 生活者情報開発部 多邊田 美香さん
生活情報サイト「くらしの研究」編集担当。研究や商品開発で、長年培った知見を生活者目線でわかりやすく配信している。
シワや型崩れが起きやすい素材とは?
気温が下がるこれからの時期、シャツやニットを着る機会が増えていきますよね。そんなときに気になるのが、衣服のシワや型崩れ。花王株式会社の多邊田美香さんによると、今は様々な素材や加工がありますので一概には言えませんが、麻やシルク、コットンなどの天然繊維のシャツなどはシワになりやすく、ニットはローゲージのざっくりしたものほど型崩れを起こしやすい傾向があるそうです。今回は、多邊田さんに教えてもらった、衣服の気になるシワや型崩れを防ぐコツについてご紹介します。
シワや型崩れを防ぐ洗濯ネットの選び方・使い方
「洗濯ネットの使い方次第で、衣服のシワや型崩れをかなり予防できます」と多邊田さん。まずは、意外と知られていない「洗濯ネットの正しい選び方・使い方」を紹介します!
洗濯ネットは1ネット1アイテムで使う
多邊田さん「洗濯ネットは、原則として1ネット1アイテムで使いましょう。同じネットの中に異なる素材の衣服を入れると、衣服がからみ、傷みや型崩れの原因になることがあります。また、複数の衣服を洗濯ネットがパンパンになるまで入れると、汚れ落ちが悪くなることも。洗濯ネットは“個室使い”がおすすめです」
サイズが合った洗濯ネットを使う
多邊田さん「洗濯ネットは、小さすぎると汚れが落ちにくくなり、大きすぎるとネットの中で衣服が動き、シワや型崩れしてしまうことがあります。洗うもののサイズに合った洗濯ネットを使いましょう」
目の粗いネット=汚れ落ち優先、目の細かいネット=デリケートな衣服
多邊田さん「ワイシャツやパンツなど汚れをしっかり落としたいアイテムは、目の粗い洗濯ネットに入れましょう。小さいボタンや装飾がついたニットなどデリケートな衣服は、目の細かい洗濯ネットがおすすめ。繊維のケバ立ちや糸くずの付着も防げます」
洗濯するとき・干すときのポイントは?
洗うときや干すときにも、シワや型崩れを防ぐコツがあります。
脱水時間を短縮する
多邊田さん「ワイシャツやニットなどシワをつけたくないものは、脱水時間を短縮するのもひとつの方法です。ワイシャツなどシワをつけたくない衣服は洗濯ネットに入れて、脱水時間を短めに設定して洗濯し、先に取り出しましょう。ジャージやタオルなどシワがついても気にならないアイテムは、続けてさらに脱水すると、乾きが遅くなる心配もありません。自宅洗濯可能なニット類は『ドライコース(手洗いコース)』を選べば、やさしく洗って脱水時間も短いので、傷みや型崩れを防いで洗えます」
干す前にシワをしっかり伸ばす
多邊田さん「脱水が終わったら、すぐに洗濯機から取り出しましょう。ハンガーに干す前に、大きなシワを伸ばすため、シャツなどは肩の部分を持って、上下に衣類を大きく数回振ります。次に軽くたたんでから手で叩くと、力がかかって小さなシワが伸びやすくなります。
縫い目の近くの生地は細かいシワができやすいところです。ワイシャツの前立て、袖、脇の縫い目などを手で引っ張って伸ばすときれいな仕上がりになります。
フリル部分は、手で伸ばして形を整えると、立体感に差が出ますよ」
干す前のシワをとる工程は、動画でもご覧いただけます!
「柔軟仕上げ剤を使うことも、シワや型崩れ予防に有効です」と多邊田さん。ピシッと整った衣服に袖を通せば、気分がぐっと引き締まりそうですね!