小さなイライラが大きな不満に
空のトイレットペーパーを補充する、シャンプーを詰め替える、飲み終わったコップを洗う…
どれも数分に満たない作業ではありますが、生活に欠かせない家事のひとつですよね。
これらの「名もなき家事」は、よく気がつく方・気になる方が担うことが多く、小さな負担が積もっていきやすいんです。
「わざわざ言って、やってもらうほどでもないけど、自分ばかりやっている。」「大した作業じゃないからこそ、指摘しにくい。」
そう考え、不満をその都度口にできないのも「名もなき家事」の厄介なところです。
また、
- マンションの会合にでる
- 毎日の献立を考える
- 子どもが寝る前に本を読む
など、頭や気をつかう役割を担うのも意外と負担になるものです。
言い出したらキリがない「名もなき家事」とはどのように付き合っていけばよいでしょうか。
「名もなき家事」との付き合い方
何度も遭遇する「名もなき家事」に名前をつける
人によって気になる「名もなき家事」は異なります。
また、家庭によって頻出する「名もなき家事」もあるのではないでしょうか。
まずは、そんな「名もなき家事」に名前をつけ、気軽に指摘しあうのが第一歩です。
青森県の男女共同参画グループでは以前、「あなたに気づいてほしい家事」のネーミングを募集し、以下のような作品が集まりました。
- 「ランドセルマネージャー」:子どもの配布物や連絡帳、行事予定などの管理
- 「戻しましょっき」:水切りかごで乾いた食器を食器棚に戻す家事
- 「ぱなしクリアー」:脱ぎっぱなし、出しっぱなしのものを元の場所に戻す作業
ライトで親しみやすい名前をつけると、イライラせずに「やっておいて!」と言えますよね。
ちなみに我が家では最近「冷凍庫の奥に眠っているカレーの整理」に「カレーアラーム」と名前をつけ、担当者を決めました。
動線や収納の配置を工夫する
ちょっとした動線や収納の工夫で「名もなき家事」が減少しやすくなります。
例えば、家族が玄関やリビングなど、様々な場所で脱ぎっぱなしにする靴下を回収して洗濯かごに運ぶ作業。
なぜか靴下が家の中で消えていくお子さんの話も耳にしたことがあります。
何度注意しても直らず、靴下の捜索から始まる「名もなき家事」は一苦労。
そんなときは、玄関にかごを置いておき、靴下を入れるように促すと成功するケースが多いんです。
他にも、
- 「郵便受けから取ったあとに置きっぱなしにされているチラシを回収する作業」をなくすために「リビングまでの道にゴミ箱と手紙ケースを用意する」
- 「シャンプー容器の裏のヌメヌメを取る作業」を日常的に行えるように「掃除用ブラシやスポンジは常にお風呂場においておく」
など、「いかに、なまくらできるか」視点で考えると、上手くいきやすいと思います。
些細な変化でも「ありがとう」「楽になった」と声をかける
相手に促してすぐに家事が済んだときや、工夫が成功したとき、前向きな言葉がけをするのも忘れてはいけません。
イライラしていると、「今まで私が全部やってたんだから当然でしょ」と感じるときもあるかもしれませんが、継続にはポジティブな言葉が必須なんです。
短い言葉でもフィードバックがあると、「ああ、こういう風にすればよかったんだ」と気づくきっかけにもなりますし、次回以降の動機づけにも繋がります。
家族内でのイライラが減っていくと、「もっと楽に動くためにはどうすればいいんだろう」、「実はここ使いにくいんだよね」などの話し合いも活発になってきます。
家族みんなが快適に過ごせるような空間を作っていけるといいですよね。
見過ごされてきた家事に、見過ごせないネーミングを
「名もなき家事」に気づかないパートナーにイライラし、些細なことでイライラしている自分もいやになってくる。
そんな悪循環を解消するために、まずは冗談みたいなネーミングをつけてみるのがおすすめです。
くすっと笑いながら、楽しく家事を分担していけるといいですよね。
【参考記事】
青少年・男女共同参画課「~あなたに気づいてほしい家事のリーフレット、動画を作成しました!~「家事男子を始めよう」
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/seishonen/kajidanshiwohajimeyou.html