あんなにかわいかったのに……
「うるさい、ほっといて」「恥ずかしいから隣を歩かないで」
そんな風に言われるときもあれば、何か話しかけても「別に」「どっちでもいい」だけだったり。
小さい頃からかわいがってきた我が子が、どんどんわからない人間になっていくのは、寂しくて怖い気持ちにもなるものです。
小学校中学年あたりから、親の指示には従わなくなったり、反発するようになる子が増えてきます。要求が通らないと「もういい」と話し合いを避け、日常会話まで減ってしまうときも。
なぜ思春期にさしかかると、コミュニケ―ションが難しくなってくるのでしょうか。
思春期の子とのコミュニケーションが難しくなる3つの理由
親には言いたくない悩みや秘密が増えるから
- 部活の友人関係が上手くいっていないとき、「〇〇君のお母さんと会ったよ、〇〇君家ではね…」などと話題を振られる。
- 勉強面で周りと比較して落ち込んでいるときに「ちゃんと勉強してるの?」と言われる。
年齢が上がってくると、親には言いたくない悩みや秘密があるのは当然。
悩みに触れられたり、先回りして指摘されると、敏感に反応して苛立ちやすいものです。
イライラしていたり悶々としている様子を見ると、心配して声をかけたくなりますが、余計に反発を生んでしまうときも。
また、「あんたまた先生に怒られたんだって?」「お母さんも友達関係悩んだことあったわ」など、外から聞いた情報や一部のキーワードから踏み込もうとするのも危険なんです。
「なんでも共有できる親子の関係」から、「1人の人としてプライバシーを守り合う関係」へのシフトが必要です。
友人や先輩など第三者の影響力が大きくなるから
小学校中学年~高学年になると、習い事や部活動で忙しくなり、平日は家でご飯を食べて寝るだけの子も増えてきます。休日も友人と遊びに行くと、少しずつ家族との距離が開いてきますよね。
加えて、家族よりも第三者の言葉の方が響くようになり、親と意見が衝突しやすくなるんです。
親の意向に沿わなくなり子どもに反抗されると、つい親側も「勝手にしろ」などと感情的になるときも。手を離れていく寂しさや、今までの子育てが合っていたかどうか、不安になって言ってしまう面もあるんだと思います。
”ああ、自分もこんな時期あったな”と振り返り、余裕をもって付き合っていけるといいですよね。
親が矛盾したメッセージを送りやすくなるから
手伝いや学校の準備をさぼっていたら、「もう高学年なんだからしっかりしなさい」と叱る。一方で、友達と遠くに遊びに行くと言われたら、「子どもだけで危ない」と止める。
子どもが変化する時期、親自身どんな風に扱えばよいか迷うときがあると思います。そんなとき、つい”やってほしいこと”に対しては「大人なんだから」と言い、”やめてほしいこと”に対しては「子どもなんだから」と言ってしまいがち。矛盾したメッセージを受け取ると、”親がコントロールしてくる””何もわかってないくせに”などと反抗しやすくなるんです。
親の中だけで大人と子どもの線引きを決めるのではなく、”本人が今できるかどうか”の視点で接するのが大切です。
鍵となるのは親の「余裕」と「根気」
スムーズにコミュニケーションが取れなかったり、何を言っても反発されると、いくら親であってもイライラするのは当然です。でも、子どもの反抗期は親に甘えられているからこそ生じるもので、社会にでていく準備でもあるんです。
少し離れて一息ついて、「余裕」を取り戻して、「根気」強く関わるのが大切です。