教えてくれたのは……岩野上 幸生(いわのうえ こうせい)さん
東京で飲食店を複数手がける人気料理人。YouTubeチャンネルの「飲食店独立学校 /こうせい校長」では、さまざまな料理のテクニック、役立つ情報を発信。著書に『プロのコツでいつものごはんが100倍おいしくなるレシピ』(KADOKAWA)。
朝ごはんの新定番「漬け目玉焼き」の作り方
朝ごはんの定番といえば、目玉焼きですよね。今回紹介するのは、いつも食べているものとは一味も二味も違う「漬け目玉焼き」。プロの料理人の技で、卵をしっかり処理して作った目玉焼きを、秘伝のタレに漬けていきます。
こうせいさんのイチオシは、ご飯にのせるという食べ方。作り置きできるので、忙しい朝にもぴったり。
本当においしい分、少し手間がかかる工程もありますが、ぜひ一度は試してみてほしいレシピです!
材料
卵……5個
ごま油……10g
長ネギ……30g
玉ねぎ……50g
水……180g
砂糖……10g
だしの素(ほんだし使用)……5g
みりん……140g
濃口醤油……95g
おろしにんにく……5g
輪切り唐辛子……適量
1.玉ねぎをみじん切りにする
上下を落として半分くらいに切った玉ねぎを、平べったい方を下にしてまな板に置き、左右横から数回切り込みを入れます。
包丁の刃元を少し浮かせながら、縦に切り込みを入れていきます。刃元を浮かせることで、その部分の玉ねぎはつながったままになり、みじん切りがしやすくなります。
切り込みに対して、垂直に包丁を入れていくと、みじん切りになります。
2.長ネギを切る
葉の分かれ目の部分に汚れがたまりやすいので、しっかり洗います。根本の部分には泥がついていることがあるので、タワシでこすり洗いします。
長ネギは、青い部分は辛みが強く、白い部分は、青い部分に比べて辛みが少なく甘味が強いです。今回は色味と香りづけのために、青い部分を使います。残った部分は、保存しておき、他の料理に使いましょう。
真横に包丁を入れ、ネギの葉を開きます。
ネギの葉を縦に置き、3mm幅くらいに切っていきます。
あとは横にして端を揃えて置き、3mm角になるように切っていきます。
3.漬けダレを作る
鍋に水、砂糖、だしの素、みりん、濃口醤油、おろしにんにくを入れ、軽く混ぜ合わせます。
火に掛け、沸騰したら弱火にし、かき混ぜて調味料を溶かしながら、みりんのアルコールを飛ばしていきます。タッパーに移し、1の玉ねぎ、2の長ネギを加えます。
玉ねぎと長ネギの辛み成分である「硫化アリル」は揮発性であり水溶性でもあるので、だしにつけておくことで、辛みが自然に和らいでいきます。
お好みで、輪切り唐辛子を加えます。
4.目玉焼きを作る
卵は冷蔵庫から出したばかりのものの方が、黄身や白身がダレにくく、きれいな目玉焼きが作りやすいです。
穴付きのお玉か、ざるの上で卵を割ります。こうすることで、卵白の水っぽい部分だけ切れて、仕上がりの見た目がよくなります。
手で卵黄をすくって分けておきます。
ごま油をフライパンに入れ、キッチンペーパーで薄くのばします。
油が多すぎると、卵が浮いて、形が崩れたり、気泡ができたりしやすくなるので、お気をつけください。
フライパンを弱火にかけ、まずは卵白のみ入れます。
このとき、フライパンを動かしすぎると、卵白の形がいびつになるので、お気をつけください。また、ゴムベラなどにごま油をぬっておくと、次の作業で、ゴムベラに卵黄の膜がくっついて、卵黄がやぶける心配がありません。
卵白の形が定まったら、卵黄をのせます。卵白の上で卵黄が滑りやすいので、卵黄が固定されるまで、ゴムベラなどでおさえておきます。
今回は、目玉焼きをタレに漬けるので、漬けたときに形が崩れないよう、卵黄の表面にある程度しっかり火を通したいと思います。
ここからは卵を蒸し焼きにしていきますが、卵の水分だけでは蒸気が少なくて火が入りにくいので、水を少し加えます。
蒸気の出る穴を向こう側にしてふたをし、3分間加熱します。
時間になったら、フタをあけて状態を確認してみます。卵黄の火の入り具合は、お好みで調整すればOK。絵本に出てきそうなキレイな目玉焼きになっています。
5.目玉焼きをタレに漬ける
目玉焼きをタレに入れます。
白身部分にタレをかけて、しっかり漬かるようにします。
すべての卵を焼いてタレに漬けたら、「漬け目玉焼き」の完成です。
漬け時間は、お好みでOK。すぐに食べてもおいしいですし、一日漬けて食べると、卵にしっかり味が入って、また違うおいしさが楽しめます。
茶碗にご飯を盛り、漬け目玉焼きをのせてタレをかけて食べると、反則級においしいです。
白身はプルプルと弾力があってなめらか。黄身はトロッと半熟になっているので、しっかりご飯にからまって、もう抜群です。
朝ごはんにも重宝しますし、おつまみにしても最高ですよ。ぜひ作ってみてください!