効率よく痩せたいなら。専門家が勧める「最も手軽にできる“3つの運動”」

心と体

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 効率よく痩せたいなら。専門家が勧める「最も手軽にできる“3つの運動”」

2023.03.02

ダイエットのために、運動を始めたいと思っている方も多いのでは? 忙しい毎日の中で取り入れるとなると、せっかくなら効率のよい方法でおこないたいですよね。そこで今回は、東京医療保健大学教授の御堂直樹さんに「ダイエット時におすすめな運動方法」について、お話を伺いました。

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教えてくれたのは……御堂直樹(みどうなおき)さん

御堂直樹さん
東京医療保健大学教授。1965年生まれ。筑波大学第二学群生物学類卒業。東北大学博士 (農学)、CSCS(アメリカに本部を置く国際的な教育団体であるNSCAが認定するアスリート指導に特化した資格)。専門分野は、食品学、食品加工学、食品機能学。競技として、アメリカンフットボール、ボディビルディングを経験。ボディビルディングでは、2002年日本社会人大会優勝した経歴をもつ。

ダイエットに運動が必要な理由

健康的にダイエットするには、食事のコントロールに加えて適度な運動が欠かせません。そもそもダイエット時にはなぜ運動が必要なのでしょうか?

ダイエットには運動が不可欠

御堂さん「皆さんご存じのとおりですが、運動によるエネルギー消費量を増やすことで、より体重が減りやすくなるためです。
さらに、運動の継続は減量後の体重を維持する効果もあります(1)。ダイエット後に体重が元に戻ったり、さらに増えたりするリバウンドを防ぐことから、ダイエットをするときには運動を取り入れるのが理想的です。

ただし、運動によるエネルギー消費量は、たとえば30分のジョギングをしても200kcal強と小さいため、運動に加えてエネルギー摂取量を減らすことも重要です。」

ダイエットにおすすめの運動は「レジスタンス運動」

運動には好みがあるため、自分に合った方法でよいそうですが、御堂さんが最もおすすめするのは「レジスタンス運動」とのこと。
レジスタンス運動とは、スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操など、いわゆる“筋トレ”のことを指します。

なぜレジスタンス運動がいいのでしょうか?

ダイエット時におすすめの「レジスタンス運動」

御堂さん「食事制限でエネルギー摂取量を減らしたダイエットでは、たとえたんぱく質の摂取量を増やしても、筋肉の減少を完全に止めることはできません。
しかしダイエット時にレジスタンス運動をおこなうことで、筋肉量の減少をある程度抑制できることが報告されています(2)。レジスタンス運動と、たんぱく質の摂取量を増やすことを組み合わせた場合、筋肉量を維持できることも報告されているのです(3)。

レジスタンス運動の初心者であれば、ダイエットしつつ、筋肉量を増やすことも可能だと思います。体脂肪を減らしながら筋肉量を維持、または増やす効果があるため、より美しい姿勢・ボディラインを手に入れることができますよ。」

極端に食事量を減らし筋肉量が減ってしまうと、やせにくく太りやすい身体に変化してしまう、と御堂さんはおっしゃいます。筋肉量をキープできるレジスタンス運動なら、効率的にダイエットができますね!

手軽に運動を取り入れるなら、ジョギング・自転車・歩行を

レジスタンス運動は専用の器具や知識が必要になるため、始めるにはハードルが高い……と感じる初心者の方も多いかもしれません。ダイエット時に手軽に運動したい場合は、どのような運動を取り入れるとよいのでしょうか?

手軽にできる運動

御堂さん「手軽に運動したい場合は、ジョギングや自転車、歩行が比較的おこないやすい運動です。

糖尿病の運動療法として最も利用される頻度が高いのが歩行、次に自転車、レジスタンス運動、ジョギングの順になっています(4)。この順番が、取り組みやすさを示していると考えられます。
自分に合った方法で、継続しやすいものを選びましょう。」

御堂さんに、取り組みやすい運動について、それぞれの特徴を教えていただきました。

ジョギング
体脂肪を減少させる効果が高いので、おすすめしたい運動のひとつです。ただし、膝などの関節への負担が大きいため、万人ができるわけではありません。

自転車
脚に体重がかからないため、関節痛などのリスクが低く、ジョギングよりも実施しやすい運動です。

ジョギングと自転車は、ランニングマシンやエアロバイクに置き換えることもできます。ただし、有酸素運動になるので、ダイエット時に起きやすい筋肉量の減少を抑える効果は低いと考えられます。

歩行
多くの人が最も取り組みやすい運動です。エネルギー消費量の増加や筋肉量の維持という面ではほかの運動に劣るものの、特別な準備をしなくてもできる点がメリットになります。
運動として歩行を継続するためには、通勤時に一駅手前で降りて歩くなど、日常生活の中で歩く距離を延ばすのがおすすめ。その際、通常の歩行ではエネルギー消費量が少ないため、うっすらと汗ばむ程度の速歩きにしましょう。

効率よく健康的にダイエットするなら、運動が不可欠! さっそく今日から取り組んでみませんか?

参考文献:
1) 日本肥満学会, 肥満症診療ガイドライン2022, 運動療法, 58-63, 2022.
2) Sardeli AV et al., Nutrients, 10, 423, 2018.
3) Amamou T et al., J Nutr Health Aging, 21, 67-74, 2017.
4) 荒川聡美ら, 糖尿病, 58, 4, 265-278, 2015.

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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