教えてくれたのは……
花王株式会社 コンシューマーインテリジェンス室 マネジャー 福地奈津子さん
生活情報サイト『くらしの研究』編集長。研究や商品開発で長年培った知見を、生活者目線でわかりやすく発信している。
花粉が飛散している時期でも「換気」は大切
室内に入ってくる花粉の量は、1日およそ2300万個で、そのうちの約6割は、換気口や窓の開け閉めなどのときに侵入しているといわれています。
「花粉が飛散している時期は換気をしたくない!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それでも1日数回は、換気を行ったほうがいいと花王株式会社の福地奈津子さんは話します。
福地さん「調理や人の呼吸などによって、室内には湿気が溜まっていきます。室外との気温差が大きいと結露して、カビの原因になることも……。感染症対策の観点から、換気は定期的に行いましょう」
花粉の侵入を極力抑える「換気のコツ」
とはいえ、部屋に入る花粉はできるだけ少なくしたいところですよね。なるべく花粉を室内に入れずに換気することはできるのでしょうか? 福地さんから教えていただいた2つのコツを紹介します。
窓は10cm程度開け、網戸やレースカーテンは閉めておく
花粉が多く飛んでいる時期は、窓は10cmほど開けて、網戸やレースカーテンを閉め、風がなるべく直接部屋へ吹き込まないようにしましょう。花王株式会社の調査によると、網戸を閉めると約27%、レースカーテンを閉めると約50%、花粉の侵入が減ることがわかっています。
窓や扉は2ヶ所以上開ける
窓や扉を2ヶ所以上開けて空気の入り口と出口をつくることで、室内を風が通り抜けて短時間でも効率よく換気できます。
室内に侵入した花粉を取り除く掃除技
では、部屋に入ってしまった花粉は、どのように取り除けばいいのでしょうか。花粉を効率よく除去する掃除の「タイミング」「場所」「方法」について、福地さんに教えていただきました。
【いつ?】朝いちばん、または帰宅直後に
花粉の粒子は小さく舞い上がりやすいので、床に溜まっているときを狙って掃除をすると効率よく除去できます。家族が起きてくる前の朝一番や、外出先から帰宅した直後など、人の動きがしばらくなかったあとに行いましょう。
【どうやって?】はじめにフロアワイパーや濡れ雑巾で拭き取る
いきなり掃除機を使って掃除をすると、床に溜まった花粉が再び舞い上がってしまいます。まずはウェットシートや濡れ雑巾など水分のあるもので拭き、花粉を取り除いてから、掃除機を使うようにしましょう。
【どこを?】玄関や窓、洗面所、ホコリが溜まりやすい場所
室内でもっとも花粉が溜まりやすいのは、「空気の入り口」になっているところ。玄関や窓のサッシをはじめ、換気口のフィルターや換気口下の壁面もこまめに掃除しましょう。
意外と花粉が多く溜まっているのが、衣服を脱ぎ着する「洗面所」です。玄関や窓などの開口部とあわせてこまめに掃除するといいでしょう。
換気の方法を工夫して、こまめに掃除することで、室内に侵入した花粉を減らすことができるのですね。花粉症に困っている方は、ぜひお試しください!