もしかしたらうちの子発達障害かも。診断をするかしないか、一緒に考えてみませんか?

家族・人間関係

 もしかしたらうちの子発達障害かも。診断をするかしないか、一緒に考えてみませんか?

2023.03.28

臨床心理士・公認心理師のyukoです。「発達障害」と聞くとどんなイメージが浮かびますか?以前よりは認知度が高まり身近な存在に感じられるようになったかと思います。ですが、我が子が「発達障害」の診断を受けるとなったらどうでしょう。「発達障害」の診断を受けるメリットや、様子を見た方がよいケースを考えてみます。

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もくじ

わが子が発達障害だったらどうしよう...
診断を受けるメリット
”子どもとの付き合い方”に関するヒントが得られる
子どものストレスを軽減・予防できる
無理に診断をもらわなくてよい場合
親が「この子は障害を持った子」と悲観的に捉えてしまう場合
子どもが病院や検査を強く拒否する場合
特定の場面・時間・相手に限り子どもの特徴が気になる場合
発達障害の診断を受けたら

わが子が発達障害だったらどうしよう...

小さいころから周りと違うのは明らかだったので、発達障害なのかなと思ってました。

発達障害って、この子はこの先どうなっていくんですか?治りますよね?

私の育て方が間違っていたんでしょうか。

発達障害の診断を受けた方の中には、今まで感じていた育てにくさの理由がわかってホッとする方もいれば、すぐには受け入れられない方もいます。
また、診断を受ける怖さや抵抗から、受診自体を迷う方も多くいらっしゃいます。

発達障害の診断を受けるメリットと、デメリットにはどのようなものがあるのか考えていきます。

診断を受けるメリット

”子どもとの付き合い方”に関するヒントが得られる

診断を受けるメリットとしては第一に、専門家からの道しるべやヒントが得られる点があげられます。

”なんとなく育てにくい”、”なんで他の子と同じようにできないの?”などのもやもやに名前がつくと、安心できる方もいます。
また、本やネットから知識を得られたり、専門家に相談しやすくなるのはよい点だと感じます。

子どもと専門家出典:stock.adobe.com

子どものストレスを軽減・予防できる

発達障害の子に対しては、早期療育の重要性が示されています。
その子の特性に合わせた環境を早いうちから整えられたり、発達度合いや能力を専門家が伸ばしていけるからです。
親子ともに対処法を身に着けると、親子ともにストレスが減り、その子の得意分野を伸ばしていけるようになります。

また、発達障害に由来するコンプレックスとうまく付き合えるようになると、”二次障害”を予防することもできます。

診断によって、利用できる人・場所・物・考え方が増える点はメリットといえるでしょう。

無理に診断をもらわなくてよい場合

親が「この子は障害を持った子」と悲観的に捉えてしまう場合

”今後周りの子と同じように過ごすことはできない”、”今までの育て方は間違いだった。”(実際は全くそんなことはありません)
など、悲観的に捉えてしまう段階であれば、もう少し時間をおいて気持ちの整理をつけていく方が優先です。

子どもが病院や検査を強く拒否する場合

子どもを病院に無理矢理連れて行き、診察や検査を受けさせようとするのはおすすめしません。
子どもが何も話さなかったり、真剣に答えないなどの抵抗をすれば、医療者もお手上げになってしまうからです。
もちろん、適切な診断も下せないかと思います。

何より、子どもが親や病院に対して不信感や怖さをもってしまうのは避けたいところ。

泣く子ども出典:stock.adobe.com

親も子も、ある程度受け入れる気持ちが整うまでは、親子会議・家族会議を重ねてください。

特定の場面・時間・相手に限り子どもの特徴が気になる場合

場面や時間、関わる相手によっては、子どもの特徴(こだわりの強さ、話の聞かなさ、集中力のなさなど)が気にならない場合も、保留でよいかと思います。

発達障害の診断には、「複数の状況で」「持続的に」問題が生じている点も考慮されるからです。
なぜ、その場所・その相手に対して、困った行動をしてしまうのか、どんな対応であればスムーズにいくのかを考えてみるのがおすすめです。

発達障害の診断を受けたら

発達障害は、特性の有無や強さ、困り度合いによって人それぞれ付き合い方が違います。
なので”グレーゾーン”と呼ばれる範囲もものすごく広いんです。

笑顔の親子出典:stock.adobe.com

発達障害の診断は”子どもの困り”に名前をつける作業に過ぎないと、個人的には思います。
子ども自身が学校生活や勉強においてまったく困っておらず、毎日楽しく過ごせているのであればそのままでよいとも感じます。

診断を得るメリットと、親子の状況を考慮して、子どもがより過ごしやすい道を選んでくださいね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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