男性の家事時間は、ちょっとだけ伸びた!
2021年度「社会生活基本調査」(※総務省)の調査によると、男性(6歳未満の子供をもつ)の家事育児時間は1時間54分と、5年前にくらべたら31分増加。その中で家事に費やしている時間は30分とのこと。
一方で女性は家事育児に7時間28分を費やしており、家事は2時間58分となっている。
うーん。これじゃあ、残念ながらまだ「男性が家事してない前提」で話をせざるをえない状況です。
でも、なんとなく最近は男性も家事育児やってるのが当たり前って見えるんだけど、それはなんでなんだろう?
それは「意識が変わってきたから」です。
いろいろな調査で「男性も家事育児するべき」という解答が多くなっています。たとえば象印が行った調査では「仕事が忙しくとも、男性も、家事・育児に(なるべく)参加すべき」と答えた男性(30、40代)が9割以上との結果もあります。
なかなか実践はできていないけど、とにかくやらねばなるまいと思っている。
いまはそんな状態のようです。
男性よ。不遇の6年前の恐怖を忘れるべからず!
さて。おおよそ20年ほど前。『「上司が読める」と面白い』(新講社)という本の中で「フラリーマン」という言葉が使われました。
企業戦士として仕事に全集中してきた世代の男性が、定年後に家に居場所を失い、家に帰らずフラフラしてる。その姿を表したものです。
そこから十数年。2017年の年末。NHKで「若年“フラリーマン”と“帰宅恐怖症”」という特集が組まれました。覚えてる人もいるかもしれません。当時結構話題になった特集でした。
ちょうど「働き方改革」が促進され、残業ができなくなったパパたちが、職場にいられない、家にも居場所がない、だからゲームセンターやホームセンターをフラフラと徘徊してから家に帰るという。これぞ、新フラリーマンだと。そういう特集でした。
その後、コロナが広がり在宅ワークが増えました。
「家にいる時間があれば、男性だって家事育児するようになる」
ずっとそう思われていた結果が、1日30分の家事時間だ。
多くの時間術で語られるように「時間があればできる」は、おおよそ当てにならないようです。
「やる人は時間を捻出してやっている」「やらない人は時間があったってやらない」という、普遍的現実が、これでもかと差し迫ってくるようです。
ここで思い出して欲しいのは「居場所を失う」ということです。
家庭から逃げていたら、家庭での居場所を失うだけ
確かに、家事シェアは夫婦だけの問題ではありません。
長時間労働による弊害もあれば、昭和から根強く残る家父長制的な価値観の問題もあります。
これは確かに社会の問題でもある。
けど、「社会の問題だから仕方がない」と言っている間も、僕たち家族の生活は止まることなく営まれています。
その間に失われる家族からの信頼関係は、あとからではなかなか取り返すことができないものです。
家事や育児から目をそらさないことは、なかなか難しいかもしれません。
でも、それはママだって同じです。目をそらして向き合わずに誰かに委ねられたら、どれだけ楽だろうと思う瞬間も少なくないはず。
家事育児は大変で、面倒かもしれません。
けど、楽しみや喜びだってちゃんとあります。とくに子どもの成長をダイレクトに感じられることは、育児をしている人だけの特権です。
その喜びを、夫婦でともに味わいましょう。
そうすることで、家庭がとても大切で居心地のよい場所になっているパパをたくさん、本当にたくさん見てきました。
フラリーマンになんかならない。
そんなパパが、もっともっと増えていきますように。