3つの財布とは?
お金管理で重要なことは、お金の流れをシンプルにすること。
「家計用口座は1つだけ」というのは一見シンプルなようですが、お金の流れという観点で見ると実はとても複雑です。
たとえば、
- 入ってくるお金(収入)
- 出ていくお金(支出)
- 貯めたいお金(貯蓄)
これらを1つの口座にまとめてしまうと、今月いくら支出があって、いくら貯められているのかが一目でわからなくなります。
支出が曖昧になると使いすぎにつながりやすく、貯蓄が曖昧になると継続のモチベーションが低下しやすい。
お金の流れを把握することは貯蓄の第一歩です。
まずは3つの財布、つまり3つの目的別にお金の置き場所を使い分けましょう。
<1つめの財布>日常で使うお金
日常で使うお金とは食費や家賃など、いわゆる生活費として使うお金。
「すぐに使うお金」なので、簡単に引き出すことができる普通口座を使います。
<おすすめの置き場所>
給与が振り込まれる口座など、手間なく使い勝手の良い口座
- コンビニATMで引き出せるネット銀行の普通預金
- ゆうちょ銀行の貯金
<2つめの財布>近い将来使うお金
近い将来使うお金とは、引っ越しや結婚資金、子供の教育費、マイホームの頭金などが該当します。
目安は5年~10年程度先で「ほぼ確実に使うお金」。
使う目的が決まっているお金なので、元本割れリスクは低いものを選びます。
貯蓄する金額を決めてスケジュールを立てると、本当に定期預金でいいのか、利息を考えた他の方法がよいのか、選択肢が見えてきます。
たとえば「子どもの大学入学資金:1000万円」をあと15年で貯蓄する…というように、金額と期間を明確にして、月々の貯蓄額を逆算して出します。
<おすすめの置き場所>
普通預金より少しだけ利息率の高い定期預金や、元本割れのリスクが低い金融商品で運用をしてみる
- ネット銀行定期預金
- 個人向け国債
<3つめの財布>当面使う予定のないお金
当面使う予定のないお金とは、「日常生活で使うお金」「近い将来使うお金」を除いたお金。
つまり、これが「余裕資金」です。
最近では将来のお金を投資で増やす考え方も広まってきましたが、NISAやiDeCoなどの非課税制度を利用するなら、この余裕資金を使うのがベター。
この3つ目の財布を育てることで生活を豊かにしたり、老後不安が軽減します。
余裕資金を作るのは難しいかもしれませんが、まずは月々1,000円~10,000円の少額でいいんです。保管場所をつくり、積み立ててみましょう。
投資は長期で積立ることでリスクを抑制することができると言われています。余裕資金は積極的に利率を考えた投資口座に置くことを検討してみてはいかがでしょうか。
<おすすめの保管場所>
長期・積立・分散でリスクを抑えながら着実に資産を増やす金融商品
※NISA、iDeCoを活用すれば節税にもなります
- 投資信託
- ETF
- 株式
貯蓄上手さんは目的にあわせて貯める方法を変えている
今の時代、大手銀行の普通預金は金利0.001%。1000万円預けても利息は1年で約100円(税引前)です。
こうなってくると投資商品がいいのかも…となりますが、投資にはリスクが伴うので100%いい!とも言い切れません。
では貯蓄が上手な人はどのようにしているのかというと、「いつ」「何に使うお金なのか」を明確にして、それぞれの目的にあった運用をしています。
安全に着実に貯めることは前提として、時間を味方につけて投資商品を使うのも選択肢の一つ。
預金・投資を上手に使い分けて、着実に資産を増やしていきましょう。