教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。コロナ禍で抗菌博士として講師を務める。
バスタオルに発生する黒カビの主な3つの原因
バスタオルに黒くポツポツとカビがついてしまうことがありますが、その原因は一体何なのでしょうか。
<原因1> 高い吸水性
身体の水分を拭き取るバスタオルは、水をよく吸い取るように作られています。
そのためバスタオルは乾きにくく、カビが好む水分が多く含まれるため、カビが発生しやすくなります。
<原因2> バスタオルにつく身体の皮脂
身体についている水分を直接拭き取るので、バスタオルには皮脂などが付きやすくなります。
皮脂はカビの栄養分となり、カビの発生に繋がってしまいます。
<原因3> 洗濯槽のカビ
洗濯をしているのにカビが発生しまう場合は、洗濯槽に生えているカビが洗濯機を使う過程でバスタオルに移行している可能性があります。
カビの生えたバスタオルを使い続けるとどうなるの?
カビが生えたバスタオルは見た目が悪いだけでなく、体にとってもこのような影響があります。
身体の不調
1. 皮膚の炎症
カビの生えたタオルを使うと、皮膚の表面にカビが付着してしまい皮膚の炎症を起こすことがあります。
2. 肺炎などの症状
カビが成長すると、胞子が形成されます。この胞子を吸い込んでしまうと、肺炎などの病気を引き起こしてしまう可能性があります。
悪臭の発生
カビが成長すると、その代謝物等の臭いが発生してしまいます。
バスタオルにカビが生えたときは酸素系漂白剤でつけ置きを!
バスタオルにカビが生えてしまったときは、酸素系漂白剤につけ置きをしましょう。
また、 つけ置き後に十分にすすいで、日当たりの良い場所でしっかりと乾燥させます。乾燥が不十分だと再びカビが発生してしまう悪循環となるので、注意が必要です。
バスタオルのカビを防ぐためにできること
カビは、水・栄養分(皮脂など)・温度の条件が揃うことで発生します。
温度をコントロールするのは難しい場合があるので、「水」と「栄養分」を制御する工夫をしましょう。
1 濡れたまま放置しない
使用済みのタオルはできるだけ早めに洗濯を行うことが理想です。
難しい場合は、使用済みのタオルをできるだけ広げた状態でタオル掛けにかけて、乾きやすい状態を心掛けましょう。
2 バスタオルは毎日洗濯をする
バスタオルを洗濯せずにそのまま繰り返し使うと、カビの好む栄養分(皮脂)が堆積します。
カビが生えやすい状態を作ってしまうので、バスタオルは毎日洗濯することを心掛けると良いでしょう。
3 洗濯槽の洗浄
洗濯槽についたカビが、洗濯機を使用するときにバスタオルについてしまう可能性もあります。
月に1回程度は洗濯槽洗浄剤を使って、洗濯槽を洗浄するようにしましょう。