“やる気がなさそうに見える新人”が変わる!先輩社員が知っておきたい4つの対話術

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2023.05.03

前回の記事では、やる気がない新人の特徴やタイプとその背景について、まとめてみました。 育てる側から見ると、ついつい「ちょっとやる気が足りないんじゃない?」と言いたくなるようなケースでも、その背景を想像してみると、実は「本当にやる気がないわけではないのかも?」と思えてきたりしませんか。 では、やる気がない“ように見える”新人へはどう接していけばいいのでしょう。 今回は、育てる側のモヤモヤを減らしつつ、スピーディに成長していってもらうための関わり方についていくつかご提案してみます。

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「もっと〇〇するべきじゃない?」
ついそう思ってしまうモヤモヤとしたお気持ち、よーくわかります。

ただ、たとえ上司や先輩からどう見えていたとしても、おそらくほとんどの人は「しっかり仕事ができるようになりたい」という気持ちを持って入社してきているはず(もしかしたらごくわずかに本当にやる気がない人もいるかもしれませんが)。

では、育てる立場として、どんな関わりをしていけば、その気持ちをしぼませずに育てていくことにつながるのでしょうか。一緒に考えてみましょう。

<1>「やる気がない」のではなく「余裕がない」のかも?「余裕作り」という視点でフォローしてみる。

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社会人としての立ち振る舞い、聞き慣れない用語、覚えなくてはいけないあれこれ……。新人の頃って、職場にいるだけで緊張しているような状態かもしれませんね。

数年間仕事をしてきた先輩や上司にとっては、緊張感なく無意識的に進めていける仕事や作業が多いのに対して、入社数ヶ月では、まだまだひとつひとつの仕事や作業に緊張感が伴う状態でしょう。

そう考えてみると、「やる気がない」と見えていたあの行動や態度も、実は「余裕がない」からなのかも?と思えてきませんか。

余裕がない時って、簡単なことでもミスしたり、覚えられなかったりします。まわりに気を配ることも難しくなりますし、余裕がない状態が続けば、休憩をたっぷりとりたくもなる気持ちもわからないではありません。

緊張している時、私たちの体ではストレスホルモンが分泌されていますが、その一方では、楽しさを感じたり、頭の回転を活発にしたりするホルモンが出にくくなっているそう。

ですので、やる気やパフォーマンスの向上には、相手の心に余裕が生まれるような接し方が良さそうです。

「一度で覚えてほしい」「ミスしないでほしい」という気持ちもとってもよくわかりますが、結果としてその状態に近づくためにも、「何度も確認しても大丈夫」「たとえミスをしても成長につなげられる」と思える安心感作りを意識してみてくださいね。

<2>ダメ出しよりも承認を。違いは「なるほど」「そうなんだ」で受け止めてみる。

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相手にやる気がないように見える時、それはもしかしたら、あなたの常識や価値観に合わないから、という場合もあるかもしれません。

あるいは、あなたが「できて当たり前でしょ」と思っていることが、相手にとっては苦手でとても難しい場合もあるかもしれません。

常識や価値観は、人それぞれ違うもの。どちらかだけが絶対に正しいというものはありません。

たとえば、「仕事なら〇〇するべき」など、あなたが「こんなの常識でしょ」と言いたくなる時ほど、持っている常識や大切にしている価値観が違うだけなのかもと思ってみてください。あるいは、それをしたくないわけではなくて、苦手なのかもと思ってみてください。

そして、相手が大切にしている価値観が見えてきたら「なるほど。そういう考え方もあるんだね」と、いったん受け取ってみてください。もしそれが苦手なことであるのなら、まずはいったん、相手の性質を「そうなんだな」と受け止めてみてください。

相手のためを思って、良かれと思ってしたものであったとしても、ダメ出しをされると、人は否定されたと感じてしまうもの。逆に、人は、自分の価値観や性質を尊重されると、そのままの自分を受け止めてもらえた(肯定された)と感じ、自己肯定感が上がります。それによって、自然と相手のことを認めやすく、相手の価値観も大切にしたいと思えるようになるのです。

「褒めることが大事」とよく言われますが、そうは言ってもどこを褒めたらいいのか……なんて感じる時ほど、まずは承認から始めてみてくださいね。

<3>指示は否定形ではなく肯定系で。「〇〇してください」と伝えてみる。

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やる気がないように見えるのは、相手が「どうしていいかわからない状態」に陥っているから、という可能性も考えられます。

人は、「〇〇しないでね」と否定形で伝えられると、「で、結局どうしたらいいんだろう?」と混乱してしまいがち。ですので、指示はできるだけ「〇〇してください」と肯定形で伝えてみてください。心理的にも抵抗感が少なくなり、行動にうつしやすくなります。

また、時には、文字での指示を取り入れてみるのもオススメ。口頭で伝えるより曖昧さが減り、伝わりやすくなることも多いです。後からでも確認しやすいですし、画面でのコミュニケーションに慣れている世代にとっても安心感が生まれやすかもしれませんね。

<4>指示待ちタイプには主体性が引き出される質問を取り入れてみて。

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たとえば、「どうして失敗したの?」と聞かれると「すみません」と答えるしかなくなってしまいそうですが、「次に成功するためには、何が必要だと思う?」と聞かれると、自分なりの答えを考え始めますよね。

上質な質問は、自ら考えたり気づいたりするきっかけとなり、それによって本人の主体性が引き出されることにもつながっていきますよ。

* * * * *
いかがでしょう。
「やる気がないように感じて困ってしまう」のは、それだけ育てる側として相手の成長を願っているからかもしれません。ぜひ相手が成長しやすくなるようなアプローチを取り入れてみてくださいね。

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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