教えてくれたのは……岩野上 幸生(いわのうえ こうせい)さん
東京で飲食店を複数手がける人気料理人。YouTubeチャンネルの「飲食店独立学校 /こうせい校長」では、さまざまな料理のテクニック、役立つ情報を発信。著書に『プロのコツでいつものごはんが100倍おいしくなるレシピ』(KADOKAWA)。
「焦がし卵かけご飯」の作り方
今回ご紹介するのは、卵かけご飯に、香ばしい焼き目をつけるという、なんとも斬新なレシピ。とろ~り、ねっとりした半熟の卵黄と、焼き目の香ばしさが、とてつもないハーモニーを奏でる一品です。こうせいさんも、「脳がゆさぶられるほどウマい」と大絶賛!
その味わいのヒミツは、”卵をパックごと凍らせる”という工程。
それでは、気になる作り方を見ていきましょう!
材料
卵……1パック(10個)
みりん風調味料……3g
砂糖……1g
塩……1g
かつおだし……2g
サラダ油……適量
※今回は、卵を半熟に仕上げるので、アルコール分が1%未満の「みりん風調味料」を使います。
1.卵を凍らせる
卵は、パックごと冷凍庫に1日入れて凍らせます。この工程により、独特の食感が生まれます。
卵は冷凍すると、膨張して殻が割れます。卵を流水で流しながら殻をむき、サルモネラ菌が卵に混ざるリスクを減らしつつ、解凍していきます。
つるりと、むけました! ラップをし、冷蔵庫に入れて解凍します。
※凍らせた卵を常温で解凍して生のまま食べると、サルモネラ菌による食中毒の危険性があります。
2.卵黄に調味料を加え混ぜる
冷凍した卵を解凍すると、卵白は元に戻りますが、卵黄は弾力が出ます。
今回は、卵黄のみ使い、卵白はデザートなど別の料理に使います。卵黄だけ取り出し、泡だて器で潰すようにして混ぜます。
調味料が混ざりやすい状態になったら、みりん風調味料、砂糖、塩、かつおだしを加えます。泡だて器をボウルの底につけながら、なめらかになるまでしっかり混ぜます。
こんな感じで、なめらかになればOKです。
3.卵を焼く
9×14cmの小さめの卵焼き機を使って焼いていきます。卵焼き器にサラダ油を薄くぬり、卵黄を入れます。
調理台にタオルを敷き、卵焼き器を叩きつけながら、ときどきゴムベラで卵黄をならし、平らにしていきます。
これくらいになったらOKです。
卵焼き器を強火にかけ、一気に焼いてこんがり焼き色をつけていきます。
卵焼き器から煙が出て、卵の端が少し焼け、膨らんで香ばしい香りがしてきたら、火から下ろします。卵に火を通しすぎると、卵焼きになってしまうので、卵の片面だけに強火で焼き色をつけます。
4.卵を卵焼き器ごと凍らせる
粗熱が取れたら卵焼き器ごとラップをし、冷凍庫に1日入れて凍らせます。
熱いままラップをすると、ラップが溶けてしまいますし、ラップにつく水滴が傷みの原因になるので、かならず粗熱を取ってからラップをしましょう。ちなみに、卵焼き器ごと冷凍するのは、卵を卵焼き器から外しやすくするため、そして、半熟の卵をキレイに切るためです。
5.卵を切ってご飯に盛る
卵が凍ったら、シリコン製のゴムベラなどを使って卵を取り出します。
側面にも焼き色がついているので、見た目をよくするために、端を切り落とします。凍った卵は固いので、左手で切っ先を上から押すようにして切りましょう。刃を入れるたびに包丁を拭くと、キレイに切ることができます。
切り落とした端の部分は、おやつに食べることができます。あとは、一人分ごとに切り分けていきます。8等分でもいいですが、贅沢にいきたい場合は、4等分にしてもOKです。
卵が皿にくっつくのを防ぐために、焼いた面を下にして常温に置き、半熟の部分を溶かしていきます。
卵黄が溶けるのを待てない場合は、ご飯に凍った卵黄をのせた状態で、電子レンジ(300W)で1分くらい加熱すると、いい感じにとろけます。
解凍すると、こんな感じで卵黄がとろっとなります。
お茶碗にご飯を盛り、卵黄が潰れないよう、焼き目の部分を手でやさしく持って、ご飯にのせます。お好みで、しょうゆをかけてお召し上がりください。
表面は香ばしく、中身はねっとり濃厚な「焦がし卵かけご飯」。箸で割ってご飯と一緒に食べるもよし、混ぜて食べるのもよし。至福の時間をお楽しみください!