子どもは大人に比べて熱中症のリスクが大きい!子どもの熱中症対策#医師解説

心と体

2023.08.20

夏の暑さは年々猛威を振るっており、ちょっと外に出るだけでグッタリしてしまいますよね。大人でもこの暑さに参ってしまいますが、子どもはさらに注意が必要なんだとか。今回は、医師の松本和隆先生に子どもの熱中症対策について伺いました。ぜひ、最後まで読んで大切な子どもたちの健康を守ってあげましょう。

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もくじ

教えてくれたのは……松本和隆(まつもとかずたか)先生
「熱中症」子どもはなぜ注意が必要?
子どもの熱中症対策!ポイントは5つ
1. こまめな水分補給
2. 体調と活動管理
3. 適切な服装
4. 冷房の適切な利用
5. 症状のチェック

教えてくれたのは……松本和隆(まつもとかずたか)先生

松本先生

三重県生まれ。医療法人松徳会・松本クリニック院長。日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
2016年、三重県松阪市に医療法人松徳会松本クリニックを開院。地域では数少ない「糖尿病専門医」として毎日多くの患者の診療を行っている。著書出版、講演、テレビ出演など多数。

「熱中症」子どもはなぜ注意が必要?

大人と子ども出典:www.photo-ac.com

子ども(乳幼児・幼児)は体温調節機能が未発達でとくに、汗をかく機能が未熟です。
大人と比較すると暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまいます。体に熱がこもり体温もすぐ上昇してしまいます。
また、全身に占める水分の割合が大人より高いので、外気温の影響を受けやすいといわれています。

さらに、子どもは大人より身長が低い分、地面からの照り返しの影響を強く受けてしまいます。
このため、大人が暑いと感じているとき、子どもはさらに高温の環境下にさらされていることになるのです。
例えば、大人の顔の高さで32℃のとき、子どもの顔の高さでは35℃程度の感覚なんだとか。
子どもは大人より暑さの影響受けやすく、熱中症の対策も重要になってくることを頭に入れておきましょう。

子どもの熱中症対策!ポイントは5つ

医師の松本和隆先生に子どもの熱中症対策で大切なことを教えてもらいましょう。正しい知識をつけて子どもの熱中症をしっかり予防しましょう。

1. こまめな水分補給

水分補給出典:www.photo-ac.com

松本先生「 活動中でも活動前後でも、こまめに水分を摂らせましょう。ただし、冷たすぎる飲み物は避け、常温のものが適しています。

子どもが「喉が渇いた」と思ったときには、もうすでにかなり水分が失われています。喉が渇く前に少しずつ水分と塩分を補給させ、水筒やペットボトルを持ち歩かせましょう。

高温・運動時の水分補給については、もともと脱水がない状態であれば、9〜12歳では100〜250mLを20分毎、思春期では1時間で1〜1.5Lの経口補水が目安になります。
補給するのは電解質などが含まれたイオン飲料や経口補水液が望ましいでしょう」

2. 体調と活動管理

サンプルイメージ

松本先生「子どもが無理をせず、適度な休息を取ることを確認しましょう。とくに、日中の暑い時間帯の活動は避けるように指導してください。

子どもは自分で自分の体調の変化を気づきにくく、またそれを訴えることがまだ上手にできません。屋外でずっとあそんでいると、楽しさに夢中になって、身体に異変が起きていても気づかないのです。だからこそ、近くで見守る大人が、子どもの体調に異変がないか気を配ってあげましょう。

氷をたくさん入れた水筒を持たせるのも有効でしょう」

3. 適切な服装

帽子と半袖

松本先生「自分の体調の変化を上手に伝えることができないという点からしても、半袖半ズボンなど、適切な服装を選びましょう。通気性のよい、吸汗速乾性のある薄手の衣類を選び、帽子をかぶせるなどして日差しを避けましょう」

4. 冷房の適切な利用

冷房

松本先生「部屋の温度を適切に保つようにしましょう。寒すぎると体調を崩す可能性がありますので、適度な温度を維持することが重要です。

ただし、子どもはいつもクーラーの効いた部屋にいて汗をかかずにいると、暑さに弱くなります。適度に運動させ、暑さに強い身体をつくることも大切なので、大人がしっかり見守ってあげながら、外遊びを楽しみましょう」

5. 症状のチェック

子ども出典:stock.adobe.com

松本先生「子どもは自分の体調を正確に伝えるのが難しい場合があります。無理をしていないか、異常な疲れや頭痛、めまいなどの症状がないか定期的に確認しましょう。

ベビーカーを長時間日なたに置くのは厳禁です。また、夏場の車内は短時間で高温になりますため、自動車内での子どもの閉じ込めにも注意が必要です」


今回は、子どもの熱中症対策について、医師の松本先生に解説していただきました。大人と同じと思わず、子どものいる環境や様子をしっかり見守ってあげることが大切です。5つのポイントをしっかりおさえて、子どもの熱中症を防いであげてくださいね。

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