災害時に“菌が増えやすい場所”。1つ目は「トイレ」、2つ目は「ゴミ捨て場」、3つ目は?

家のこと

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2023.09.09

地震などの災害時にはライフラインがストップし、生活環境を清潔に保つことが困難な状況になります。そのため、菌の増殖や感染症などによる二次災害も問題になっています。今回は抗菌博士の梶浦さんに避難生活などで命を守るために大切なことを教えて頂きました。

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教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん

1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。イベント等では抗菌博士として講師を務める。

菌とウイルスの違いは増殖の仕方にあり!

違い出典:www.ac-illust.com

皆さんは菌とウイルスの違いをご存じでしょうか。菌は、栄養、水分、温度が菌にとって最適な環境になった場合、自ら増殖します。
一方で、ウイルスは自分で増殖することはできません。人や動物の細胞に入り込んで、細胞内のDNAやRNAを利用しコピーを作って増殖します。

季節によっても注意!菌やウイルスに潜む危険性

<夏場の危険性>
夏出典:www.ac-illust.com

夏は食中毒菌が増殖しやすい季節です。ウイルスが環境中にばら撒かれることで、発熱、下痢、嘔吐等の症状を発症する可能性があります。災害で疲弊している体に一層のダメージを与えてしまいます。

<冬場の危険性>
冬出典:www.ac-illust.com

避難所などに人が密集することで温度差が生まれ、窓などに結露が発生しカビが生えやすくなります。
カビの胞子は喘息・アレルギー反応を引き起こし、その咳が原因でウイルスが拡散され感染リスクが高まります。

災害時は菌が増殖する3つの条件が揃ってしまう

きん出典:www.ac-illust.com

菌は、温度・水分・栄養分が揃うことで増殖します。
災害時のような洗浄が十分にできない環境では、この3つの条件が揃いやすくなってしまうため、菌が増殖してしまうのです。

<温度>
35度前後になると菌が増殖しやすくなります。

<水分>
夏季は湿度が高く、冬季は結露が発生しやすくなります。
また、豪雨などによる床上・床下浸水では家の中が湿った状態になりカビが発生します。このカビの胞子は、アレルギーなどの疾患を引き起こしてしまいます。

<栄養分>
災害時に食物残渣などを適切に処分できない場合、これがら栄養源となって菌が増殖してしまいます。

災害時に菌が増殖しやすい「場所」と「対策」

1. 食事場所・ゴミ捨て場

ゴミ出典:www.ac-illust.com

災害時は冷蔵庫など低温で食品を保管できなくなります。そのため、食中毒菌(カンピロバクター、O-157など)が増殖し、食中毒の危険性が高まります。

<対策>

ゴミ出典:www.ac-illust.com

 

  • 食品は調理前に必ず洗い、加熱を徹底しましょう。
  • 非常食はレトルトや、パッキングされているものを使うものが好ましいです。
  • 調理などして残った食べ物は廃棄するようにしましょう。猛暑の際は菌が繁殖しやすくなります。
  • 数日分のゴミが溜まっているゴミ捨て場は、栄養分となる食糧残渣等があり、水分があることですぐに菌が増殖しやすい環境です。ゴミ捨て場は、可能な限り雨があたらないような場所に設置し、できるだけ乾燥した状態にしておきます。

2. トイレ

トイレ出典:www.ac-illust.com

災害時は、排泄物の処理や清掃などが困難な状況です。避難所での衛生状態を保つことは非常に難しく、菌の増殖や異臭を引き起こしてしまう可能性があります。

<対策>

トイレ出典:www.ac-illust.com

  • トイレにSAP(樹脂)とおがくずを混ぜたものを入れましょう。排泄物の水分を吸収し、においも抑えてくれます。
  • 排泄物は抗菌性や消臭性のある袋に入れて捨てましょう。菌から発生する二次災害を防ぐことができます。

3. 衣類や寝具

寝具出典:www.ac-illust.com

災害時は洗濯の頻度が減り、入浴も困難な状況になります。そのため、衣類や寝具には汗や垢が付着し、体温や湿気で菌が増殖します。

<対策>

ほす出典:www.ac-illust.com

  • 衣類や寝具は天日干しによる紫外線殺菌を行うことがおすすめです。洗剤による洗濯ができない場合でも菌の増殖を抑えることができます。
  • 豪雨や台風などの季節は、湿度と気温が高くなります。できるだけ湿気がたまらないように、窓などを開放して換気を十分行うように心がけましょう。

地震などの災害時には、菌やウイルスが増殖しやすい環境になります。災害時に自分や家族の体を守るためにも、今回伺ったお話をぜひ覚えておきたいですね。

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Mitomi

小学2年生と5歳の娘を持つ2児の母。40歳主婦。転勤族の夫ともに日本全国を横断中。音楽をこよなく愛し、子供たちと音楽に励みながら四苦八苦する日々を送る。 コロナ禍で外出もままならない日々が続く中、狭い我が家の中に無限の楽しみを見つけるべく日々精進中。 学生時代にヘルパー二級、幼稚園教諭免許取得。卒業後、音楽教室にてピアノ講師として勤務。現在は専業主婦。自粛期間中に天狼院書店のライティング講座を受講。ライティングの楽しさを学習中。

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