洗濯物の外干し禁止!?カナダの「おうち事情」を聞いてみた!

家のこと

2023.11.02

長いカナダ(バンクーバー)生活で、マンション、一軒家の一室、ベースメントなどさまざまな家に住んできました。外見からはあまりわかりませんが、日本とカナダの家はマンション、一軒家共に異なる点が結構あります。今日はその違いについてご紹介しましょう。

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日本のような玄関がない

家イメージこれが玄関であり廊下です。ドアを開けるとすぐに室内なので、どうしても靴やベビーカーについた外の汚れを持ち込んでしまいます。

日本だと玄関で靴を脱いで家に入るのが当たり前ですが、カナダには日本のような玄関がありません。

昔に比べると室内土足の家は少なくなった気がしますが、今でも家の中が土足の人もいます。

靴を脱いで入る場合も靴を脱ぐ場所がないので、ほとんどの人は入ってすぐのところで靴を脱ぎますが、そこも家の中なので日本に比べて砂や泥など外の汚れを家の中に持ってきてしまいやすいのです。

靴出典:stock.adobe.com

これからの季節、落ち葉や雨によって特に汚れやすくなるので困ります。

小さい子どもがいると靴だけでなくベビーカーも同じく室内に持ち込むことになるので、落ち葉やグースの糞を踏んだベビーカーで家の中に入るのが嫌でたまりません。日本式玄関、カナダでも取り入れたら流行ると思うのですが……。

明かりが少なく部屋が暗い

家イメージリビングには元々1つしか電気がなく、写真右の電気を後から取り付けましたが、それでもまだ日本の家と比べると薄暗く感じています。

カナダの家には日本の家ほど明かりがありません。間接照明も多いので、さらに暗く感じます。

小さい頃から「読書や勉強をするときは明るくしなさい」と言われて育った筆者には、カナダの暗い部屋にどうしても慣れません。

主人に余分に電気を取り付けてもらいましたが、それでもまだ暗いと感じています。特に冬に向けて日照時間が少なくなると余計に部屋に明るさが欲しくなるのです。

以前カナダ人の友人の家で雑誌を借りて読んでいたとき、部屋が暗かったのでわざわざスタンドライトの下に行って読んでいたら、友人が「眩しいよね。ごめんね」と言って電気を消してしまいました。

目の色が違うと電気の明かりが眩しく感じてしまうのでしょうか? カナダ生活が長くなった今でも日本で育った筆者は、明るい電気のある部屋で読書をしたいと思ってしまうのです。

冷房のない家が多いがセントラルヒーティング*がある。

家イメージここ数年猛暑日にお世話になっているポータブルエアコン。日本のクーラーほど効きが良くなく、しかも音がうるさい(笑)。大きな窓には遮光カーテンをして暑さ対策をしています。

20年ほど前、カナダの夏を暑いと感じたことはほとんどありませんでしたが、気候変動の影響かここ数年バンクーバーでも夏に猛暑になることがあります。

ところが最近建てられた家やマンション以外、冷房がついていないことが多いのです。筆者のマンションにも作り付けの冷房はありません。

我が家は北東向きですが、暑い日は家がサウナのように暑くなってしまうので、大きい窓に遮光カーテンを取り付け、ポータブルエアコンと扇風機を置いて何とか夏の暑さをしのいでいます。

数年前40度を超える猛暑が続いたときは、ホテルに数日避難する人もいました。ついにバンクーバーの家にもエアコンが必要な時代が来てしまったのかもしれません。

逆に冬は、日本の家と違って*セントラルヒーティングがある家が多いので、室内が暖かいです。

カナダのトイレは日本のようにウォシュレットや暖かい便座はないのですが、家の中が暖かいので便座が暖かくなくてもさほど気になりません。

出身地の三重県とバンクーバーの冬の気温を比べてみると、バンクーバーの方が少し寒いと思うのですが、家の中はダントツで三重の実家の方が寒いです。実家が古いせいかもしれませんが、家の中の温度が冬でも大体一定に保たれているのは助かります。暖炉がついている家もあります。

*セントラルヒーティング:建物の1カ所に熱源を発生させる装置を設置し、そこで発生した温水、温風、蒸気などを循環パイプで各部屋に送り、建物内部全体を温める暖房システムのこと。

都市部では洗濯物の外干し禁止

家イメージ我が家には洗濯機、乾燥機がついていますが、マンションで共同のランドリーを使ったり、建物になくて外のコインランドリーを使わなければいけない人もたくさんいます。乾燥機も楽でいいのですが、洗濯物が傷むので日本のように干せたらいいのにと感じています。

景観を乱すため、バンクーバー都市部では洗濯物の外干しが禁止されています。

日本では外干しが当たり前なので、一人暮らしのときには乾燥機を持っていませんでしたし、実家でも梅雨でなかなか乾かないときや急いで乾かさないといけないとき以外に乾燥機を使うことはありませんでした。

ところがバンクーバーは、天気に関係なく洗濯物は乾燥機で乾かすことが普通なのです。干す手間が省けるとは言え、やっぱり衣類が傷んだり縮んだりしてしまうので、基本的に乾燥機に入れても丈夫な素材の服を選ぶようになりました。

クリーニングも日本より高いので、日本にいたときのようなおしゃれ着を着ることもなくなり、少し味気ないなと感じています。

お風呂に洗い場がない

家イメージやっぱり綺麗に体を洗ってからゆっくりお湯に浸かって温まれる日本のお風呂は最高だと思います。お風呂に浸かりたくて時々日本人の友達とプールにあるジャグジーに出かけています。

カナダのお風呂はシャワーのみ、または浴槽があっても日本のような洗い場がないので、湯船にゆっくり浸かるのが至福の時間だった筆者にとって、カナダに住んで特に冬一番恋しくなるのは日本のお風呂かもしれません。

カナダではゆっくりお湯に浸かりたいと思っても子どもがいるとお湯を張ったり抜いたりを繰り返す時間がなく、結局シャワーで済ませてしまうことが多いです。

さらに今の家は幸いホースタイプのシャワーですが、海外のシャワーは固定のものが多く、これが本当に使いにくい!

シャワー出典:stock.adobe.com

シャワーを体に当てるのではなく、体をシャワーの場所に移動させなければいけないし、最後にざっと水を流してお風呂の掃除をしたいと思っても、シャワーが固定されているとそれもできません。

北米の人は日本人ほどお風呂に入りませんし、日本人のようにお風呂はリラックスする場所というより、体を洗う場所なのでそれで十分なのかもしれませんが、もし家の中でどこでも変えていいと言われたら、筆者は迷わずお風呂を日本風にします!

一軒家ではベースメント(地下)があることが多い。

家イメージ大きな家に住んでいるホストシスターの家のベースメント。斜面に建っていて、地下にも大きな窓があって開放的です。ベースメントを映画ルームとして使っています。

日本ではあまり見ないこちらの一軒家の特徴として、ベースメント(地下)がある家が多いことがあげられます。

ベースメントを映画ルームや子ども部屋として活用している家もあれば、ベースメントに台所や風呂トイレがついている場合は、ローン返済のために人に貸し出していることも多く、筆者も昔一軒家のベースメントに住んでいたことがあります。

ローン返済の目的で自分の家に他人を住まわせるということは日本ではあまりありませんが、特に家の値段が高いバンクーバーでは一般的に行われている方法です。

家は「一生に一度の買い物」ではない

家イメージこれくらい大きい家になると、最低でも2、3億円はします。子どもが巣立つとマンションや小さい家にダウンサイズする人も少なくありません。

日本でマイホームと言うと、一生に一度の買い物で、そこで身を固めてずっと暮らしていくと言う人がほとんどだと思いますが、カナダの場合は必ずしもそうではありません。

これは日本に比べて年数が経っても値段が下がりにくいカナダの住宅の特性も影響していると思うのですが、カナダでは家族構成やライフスタイルに合わせて家を買い換えることも珍しくありません。

例えばワンルームのマンションを購入した夫婦が時を経て子どもが生まれたとき、その物件を売ってそれを頭金にさらに広いマンションや家に買い換える。そしてまた時が経ち子どもが巣立って夫婦だけになったとき、そのとき住んでいる広い物件を売って小さいサイズにダウンサイズするということが一般的に行われています。

不動産の価格が日本に比べて高いので、最初に家を購入するのはかなり勇気がいりますが、買い替えができる点、年数が経っても値段が下がりにくいと言う点から言えば、マイホーム購入のプレッシャーが少し下がるかもしれませんね。


いかがでしたか? 筆者はまだ賃貸のマンションに住んでいますが、家やインテリアに興味があるので、日本でもカナダでも住宅展示場やマンションのモデルルームを見にいくことが大好きです。

最近の日本の家は家事の動線が考えられていてとても合理的ですし、カナダの家は天井が高くて開放感があると感じます。似ているようで家の作りが結構違うので、将来マイホームを手に入れるときが来たら、2つの国のいい部分を参考にできたらなぁと夢見ています。

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著者

Shiko

Shiko

カナダ、バンクーバーと日本でやんちゃな息子達と旦那と一緒に暮らしています。 音楽、ヨガ、アウトドアが大好き! 歯科医師、ヨガインストラクターです。時々ジャズを歌っています。 Zoomヨガ教えてます。レッスンご希望の方はインスタからメッセージくださいね!@fumikokusuhara

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