教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
柿は加熱でひと工夫
秋を代表する果物といえば、柿です。柿は、加熱をすることで飛躍的に柿の栄養が高まることをご存じでしょうか。
柿を加熱したときの驚くべき効果・効能を3つご紹介します。まずは、柿の栄養についてご紹介します。
柿はビタミンCたっぷり
柿の特徴的な色であるオレンジ色、これはβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンという物質なんです。
そしてビタミンB群やビタミンCを含みます。このビタミンCは果物の中でも断トツの含有量で、みかんの2倍も含まれるんです。
そして独特の苦みであるタンニンは、ワインの20倍とも言われます。タンニンはぶどう、カカオ、りんごにも含まれる物質です。
柿のタンニンは柿の種を守るための成分で、種に断トツに含まれます。食物繊維やGABA、シトルリンなどを含んでいます。
タンニンは抗酸化、血圧低下、血糖値の上昇を抑制したり、発ガン抑制、心疾患の予防などが期待できます。
加熱すると期待できることは?
そのままでも栄養がある柿ですが、加熱をするとGABA、シトルリンが3~5倍も増えるそうなんです。GABAやシトルリンの働きは以下の通りです。
GABA
- 神経の興奮を抑制する働きがある
- リラクゼーション効果があり、ストレスケアに役立つ
- 血圧を下げる
シトルリン
- スーパーアミノ酸と言われていて、血管を拡張するか効果がある
- 血流を改善して冷えを予防
- 疲労回復にも役立つ
3つの期待できること
焼いた柿で期待できる3つの効果、1つ目はがん予防です。オレンジ色の成分であるカロテノイド、ビタミンC、さらに柿ポリフェノールがたっぷり含まれています。これらが免疫力を高めて、がん予防にも役立ちます。風邪予防にも役立つということです。
2つ目の効果は、GABAは増えることでリラクゼーション効果、ストレスケアに役立ちます。そして3つ目は、シトルリンが増えることで血流を改善して、冷え予防や疲労回復に役立ちます。ぜひ加熱をしていただきたいと思います。
焼き柿の作り方
柿はカリウムが多いので体を冷やすとも言われていますが、焼くことで体を温める効果もあります。
材料
- 柿
- バター(またはオリーブオイル)
作り方
1.柿のヘタの部分を包丁で切り落とします。
2.柿の実に米印のように切り込みを入れます。
切り込みを入れると、スプーンで食べやすくなります。
3.魚焼きグリルやトースターで焼きます。今回は魚焼きグリルで9分ほど焼きました。
4.器にのせて、バターをそえたらできあがりです。
焼き柿をそのまま食べてもおいしいですが、柿のβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンは脂溶性の栄養素なんです。お好みでバターを添えるとおいしくなり、栄養の吸収がよくなります。
バターのほかにオリーブオイルなどでもOKです。さらにシナモンをお好みで添えてもおいしくなります。柿は酸味があまりなく、ほんのり甘いです。シナモンは血流改善にも役立ち、風味が増します。
ご紹介した方法以外にも、柿の皮を包丁でむき、実をひと口大に切ってから焼く方法もあります。食べやすく、つけ合わせやまとめて焼いて作り置きもできます。作り置きの焼き柿は、ホットスムージーに使うのもおすすめです。
また焼いたしいたけと合わせて、塩とオリーブオイルで味つけをして、すだちを添える食べ方もおすすめです。
今回は「焼き柿」をご紹介しました。柿を焼くことで、健康にうれしいことばかりです。ぜひ、作ってみてください。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。