教えてくれたのは……笹木翔平さん
にほん整体株式会社 代表取締役社長、とくしま整骨院グループ 統括院長、柔道整復師
2020年2月に整骨院を開業し、現在は徳島県で2院、整骨院を経営。痛みに対しての施術だけでなく、美容などのお悩みにも対応しており、頭の先から足の先までの健康をサポートしている。
足のむくみの原因となる「9つのポイント」
足のむくみは、なぜ起こるのでしょうか?
「足がむくんでしまうのは、さまざまな理由がある」のだと、笹木さんはおっしゃいます。
一般的な原因として考えられる9つのポイントと、予防策について教えていただきました。
1.運動不足
適度な運動を欠いていると、筋肉が血液やリンパ液の循環を助ける役割を果たせず、むくみの原因となります。適度な運動は血液の循環を促進し、むくみを軽減するのに役立ちます。
2.体重の増加
過体重や肥満は下半身に余分な圧力をかけ、血液やリンパ液の循環を阻害しやすくなります。
3. 塩分が高い食事
高塩分の食事は体内に余分な水分を保持させ、むくみの原因となります。塩分を控え、バランスのとれた食事をとることが大切です。
4.水分の摂取量不足
脱水はむくみの原因となることがあります。脱水により、体内の水分が不足すると、血液中の塩分(ナトリウムなど)の濃度が上昇します。これにより、血液中の浸透圧が高まり、血液中の水分が組織から吸い出される傾向があります。
そのほか、脱水により、毛細血管の通透性が増加し、組織や細胞間に液体が漏れやすくなったり、むくみを制御するリンパ液の排出が妨げられることがあります。これらにより、組織に余分な液体が滞留し、むくみが悪化します。
脱水が続くとむくみが増加する可能性が高まりますので、適切な水分摂取を保つことは、むくみの予防や管理に重要です。
5.気温や湿度
高温や高湿度の環境に長時間さらされると、血管が拡張し、血液が末梢に滞留しやすくなります。これが、むくみの一因となります。
6. 妊娠による変化
妊娠中は体内の血液量が増加し、子宮に加えて下半身にも圧力がかかります。これが足のむくみを引き起こすことがあります。
7. 薬物の副作用
一部の薬物は、むくみを引き起こす副作用を持つことがあります。例えば、一部の高血圧薬やホルモン療法などが挙げられます。
8.循環障害
血液やリンパ液の循環に問題がある場合、足がむくみやすくなります。静脈瘤や深部静脈血栓症(DVT)などの静脈系の障害や、リンパ浮腫といったリンパ系の問題が考えられます。
9. 疾患や感染症
ある種の疾患や感染症、例えば心不全、腎臓病、糖尿病、関節リウマチなどは、むくみの症状を引き起こす可能性があります。
足のむくみを悪化させてしまうNG行動
笹木さんによると、足がむくんでいるときには以下のような行動に注意が必要なのだそうです。
日常的にむくみが気になっている方は、9つのポイントの中でご紹介した「適度な運動を行うこと」や「塩分を控えた食事をとること」などに加えて、意識してみるとよいそうですよ。
- 長時間の立ち仕事、または座り仕事
長時間同じ姿勢でいることは、むくみを悪化させる可能性があります。できるだけ頻繁に休憩をとり、足を上げるか動かすように心がけましょう。
- 足に負担のかかる靴を履く
過度にきつい靴や高いヒールの靴を履くことは、足のむくみを悪化させることがあります。できれば、快適な靴を選び、足を適切にサポートしましょう。
簡単にできる「足のむくみの解消法」
足のむくみがひどく、すぐにでも改善したい場合には、どのような方法が適しているのでしょうか? 簡単にできる、足のむくみの解消法を教えていただきました。
1. 足を高く上げる
足を心臓よりも高い位置に保つことで血液の流れを助け、むくみの軽減に役立ちます。長時間座っている場合は、足を高い場所に置いたり、クッションを使って足を上げたりしてみましょう。
2. 軽い運動とストレッチを行う
軽い散歩や、足首、ふくらはぎ、足の筋肉を伸ばすストレッチを行うことで、血液の循環を促進し、むくみを軽減できます。
3. 足を温める
足を温めることで、血管を拡張し、むくみを和らげることができます。温かいお風呂につかるか、足に温湿布を貼りましょう。
4. やさしくマッサージする
軽く足をマッサージすることで、血液の循環を促進し、むくみを緩和できます。足首からふくらはぎに向かってやさしく圧力をかけると効果的です。
5. 圧力ソックスの着用
圧力ソックスや圧迫ストッキングを着用することで、血液の循環を改善し、むくみを軽減できます。
むくみが慢性的である場合
上記の方法は一時的なむくみを和らげるのに役立ちますが、むくみが慢性的である場合や他の症状が伴う場合は、医師に相談することをおすすめします。さまざまな要因が考えられるため、自己診断や自己治療だけに頼らないようにしましょう。
足のむくみの原因を知って生活習慣を見直し、適切な対処法をとることで、つらい症状が和らぐ可能性が高くなります。スッキリと軽い足でいられるように、日ごろから心がけられるとよいですね。