夏物衣類は黄ばみやすい
洗濯をしてから衣替えをしたのに、翌年出したら黄ばんでいた…というのは、衣類に残った皮脂汚れが酸化することで起こる「収納黄ばみ」です。
夏物の衣類は、冬物と比べ直接肌に触れることが多いため、皮脂・汗の汚れが繊維に蓄積します。
汗や皮脂に含まれるタンパク質汚れは、水に溶けにくく、通常の洗濯だけでは落とし切ることができません。
汗の汚れは目に見えないため、洗濯をすると一見落ちたように見えます。でも実際は繊維の奥に残り、たんぱく質が変質し、繊維に固着してしまうのです。
長期間衣類をしまっている間に、落とし切れなかった汚れが原因で虫食いやカビが発生してしまいます。
これらの衣類トラブルを防ぐためには、衣替え前の「しまい洗い」が欠かせません。
黄ばみを防ぐ!「しまい洗い」のポイント
見える汚れ・見えない汚れをまとめてケア
落とし切れなかった蓄積汚れと、すでに目に見える黄ばみ・黒ずみを一気に落とすのが、温水を使ったつけ置き洗いです。
お湯を使ってつけ置き洗いをすることで、洗剤の洗浄力がUPし、繊維に固着した皮脂汚れが溶け出しやすくなります。
■つけ置き洗いの手順
- 部分洗い用の洗剤を塗布し、優しくもみ洗い
- 40℃ほどのお湯に、アルカリ性粉洗剤+酸素系漂白剤を溶かし、1~2時間つけ置き洗い
- 洗濯機にかけ、温水で洗う
※温水・酸素系漂白剤を使用する前に、必ず洗濯表示を確認しましょう。
■簡単にできる温水洗いの方法
見落としがちな場所をしっかりケア!
1.首元・袖口の日焼け止め汚れ
日焼け止めを使っている方は、首元・袖口についた日焼け止めの汚れをしっかり落としましょう。
衣類に残ったまま長期間収納すると、黄ばみ・変色の原因となります。
中性洗剤を塗布し、優しくもみ洗いします。
2.食べこぼしの汚れ
食べこぼし汚れをそのまま放置すると、カビや虫食いの原因になります。
部分洗い用洗剤を塗布し、優しくもみ洗いをしましょう。
汚れは、時間が経つほど落としづらくなるので、ついてすぐにケアをした方が〇
しっかり汚れを落とすためのコツ
洗濯物の量は7~8割で
洗濯の際、衣類を詰め込みすぎると、衣類をしっかり洗うことができません。
特に少ない水量で叩き洗いをするドラム式洗濯機は、注意が必要です。
衣類をしっかり洗いたいときは、高水位にしてたっぷりの水で洗うようにしましょう。
詰め込みすぎは、シワや衣類の傷みの原因にもなります。
温水洗いがおすすめ
時間が経って、繊維に固着した汚れを溶かし出すためには、お湯を使うのが有効です。
洗剤の洗浄力もUPします。ただし、高温すぎるお湯は繊維を傷める恐れがあるので、洗濯表示を必ず確認します。
※桶の中の数字が水温の上限です。この温度以下の水温で洗濯をしましょう。
すすぎは2回以上
衣替え前の衣類は、洗剤・皮脂の汚れを残さないよう、すすぎをしっかり行います。
すすぎ1回の洗剤を使っている場合でも、回数を増やすことで、衣類に残った汚れ・ニオイを落とす効果が抜群に高まります。
すぐに、しっかり乾かす
洗濯の後は、衣類に雑菌が再繁殖しないよう、すぐに干しましょう。
洗濯終了後に洗濯槽に入れたままにしていると、衣類に嫌なニオイがつき、洗濯槽の黒カビの原因となるので、注意しましょう。
「しまい洗い」でしっかりケアを
衣替えは、単に夏服と冬服を入れ替えるだけではありません。
しまった服は、長期間収納されるため、衣類に汚れが残っていると酸化し、繊維を変質させてしまいます。
夏の汗や皮脂の汚れは、目に見えにくい汚れです。
これをしっかり洗い流し、来年も黄ばみなく、キレイな状態で着られるようにしましょう!
衣類には、目見えない汚れが蓄積しています。
今見えている汚れだけはなく、「目に見えない汚れ」もしっかりケアしましょう!