教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート。
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
効率的に部屋を暖めるには「窓」と「床」に注目
家族が集まるリビングやダイニングなどの広いスペースで、暖房をつけても部屋が暖まりにくいと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。暖まるまでに時間がかかる=電気代が余計にかかるので、効率的に暖めたいところですよね。
「その原因は、そもそも室内が暖まりにくい環境になっていることも考えられます」と話すのは、総合家電エンジニアの本多宏行さん。効率的に暖めるために大切なのが、まずは室内を冷やさない対策をすることなのだそうです。
身近な方法でできる2つの対策を本多さんに教えていただきました。
- 窓の断熱性を低い状態にしないこと。
- 冷たいフローリングのままにしないこと。
「陽光が差し込む時間帯はカーテンを全開にして室内を暖める、陽光が差し込まない時間帯や天気が悪い際には厚手のカーテンを用いつつカーテン同士の隙間を埋めるなどして窓からの寒気を防ぐと効果的です。フローリングは、冬場には厚手のカーペットを敷くだけでも効果的でしょう」(本多さん)
さらに効率アップさせるなら
室内が暖まりにくい環境を改善させたうえで、さらに効率よく暖めるためには、「室内の暖かい空気を上手に循環させることのできる「サーキュレーター」との併用が最適です。暖かい空気は天井付近に滞留するので、サーキュレーターを使って空気を循環させるのがおすすめです」(本多さん)
暖房器具を用いても、暖かい空気が循環してはじめて室内全体が暖まるのだそうですよ。
電気代を節約するために今すぐできる「3つのポイント」
暖房器具をフル稼働する時期に気になるのが電気代です。電気代を節約するために、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。本多さんに教えていただいた「3つのポイント」をシェアします。
ポイント1.設定温度
まずは、室内温度を必要以上に高くすることを控えましょう。設定温度は20℃が目安とされています。
ポイント2.使用時間
暖房機器は必要なときにだけ動かすことも、大事なポイントです。エアコンであれば、一日の使用時間を約60分少なくすると月の電気代が1,000円から1,300円ほど節約できるとの声もあります。エアコンのスペックや使用環境、契約している電力会社や電力プランで差異は生じますが、目安として覚えておくと良いでしょう。
床暖房も必要なときに活用しましょう。機能を停止させても床の暖かさは一定時間継続するため、就寝時や外出の30分前に停止することをおすすめします。
ポイント3.使用範囲
電気カーペットであれば、暖める範囲を選択できる機能が備わっている場合も多いので、必要な範囲だけ暖めることで節約につながります。
一番気をつけたいことは、部屋に誰も居なくなった状況でも暖房機器が動いていることです。子ども部屋で暖房機器を動かしていたところ知らぬ間にリビングへ集まっていた、電気コタツに入って知らぬ間に寝てしまった、このようなことにも注意してみると、電気の無駄遣いを減らすことにつながるかもしれません。
“効率的に暖めて無駄は省く”、この積み重ねが電気代の節約につながるのですね。本多さんに教えていただいた工夫を取り入れて、冬を快適に賢く乗りきりましょう!