教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
幸福度の低い人に共通する「お金の使い方」3つ
幸福度が高い人と低い人では、お金とのかかわり方にも違いがあります。今回は幸福度が低い人に共通するお金の使い方を解説していきます。
1.物質的なものだけにお金を使う
幸福度が低い人は、本当に大切なモノとそうでないモノの優先順位が曖昧になっています。
自分の意思ではなく「流行っているから」「SNSでバズっている」「〇〇さんがいいって言っていたから」のような理由でモノを購入することも。
物は手に入れてしまうと比較的すぐに飽きてしまいますよね。さらに、本当に大切なものでないのなら、飽きのサイクルはさらに早くなります。
せっかくお金を使っても、すぐに飽きる、すぐに次が欲しくなるのはもったいないことです。
反対に幸福度が高い人は、物ではなく経験を重視していることが研究でもわかっています。「経験のために物を買う」視点でお金を使っているのです。
経験とは具体的にどのようなものかというと、「幸福」に関する研究者として最も注目されている人物リュボミアスキー教授が『人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法』の著書の中で以下のようにおっしゃっています。
友人とハイキングをしたり、夜、家族でゲームをしたりするといった経験の大半は実質的にお金がかかりません。車やオートバイでの旅行、豪勢なディナー、料理教室、ロック・コンサートなど、お金がかかる経験も数多くあります。最も幸せな人は、あらゆる物から経験を引き出すスキルを最高に備えた人だ、と考えられます。そういう人たちはギターであれ、航空券であれば、絵本であれ、ケーキのデコレーションを学ぶ料理教室であれ、経験を引き出せる物にお金を使うからです。
実は、脳がよろこぶ“ご馳走”は経験から得られる知識でもあります。
未来を豊かにできる情報がたくさん手に入る“経験”をぜひ大切にしてみてください。
2.支払いをギリギリまで延ばす
光熱費などの支払いを、期限ギリギリにしていませんか?
幸福度が高い人は「憂鬱な時間」を減らして「楽しい時間」を増やす意識を持ち、実践しています。
払うべきものは早く支払って、スッキリした気持ちの時間を長くする。
憂鬱なものは人に頼んだり、得意な人へお願いするなど、自分が幸せになるためにお金を使います。
お金のためにいろいろ我慢しているという人は「心がスッキリしている時間を長くするにはどうしたらいいのか?」という視点を持ってみてくださいね。
3.自分のためだけに使っている
心に余裕がないと、自分のことだけで精いっぱいだと感じてしまうかもしれません。しかし、私たちの脳は他人のためにお金を使うと幸福度が上がることが分かっています。
手助けや、人が喜ぶことをすると、幸せの三大ホルモンのうちのひとつオキシトシンが出てくるのです。
お金だけでなくても、例えばお菓子を食べている時に、友達に分けてあげる。そしてすごく喜んでくれたら、自分も幸せになりますよね。
被災地の為や、未来の緑を増やすために1円でも5円でも寄付をしたり、出来ることは意外とあります。そして大切なのは、そのお金が誰かのためになった、誰かの喜びに繋がっている所まで確認することです。
カナダのブリティッシュコロンビア大学のエリザベス・ダン博士の研究によると、他人のためにお金を使った人は血圧まで下がったことが分かっています。
他人のために使うと、健康も幸福度も上がります。これから出来ることを考えてみましょう。
参考:ソニア・リュボミアスキー(2014).人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法.日本実業出版社