「やっぱり行きたくない」新学期から再登校を目指す子に“親ができること”

家族・人間関係

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2024.04.06

臨床心理士・公認心理師のyukoです。新学期から再登校を目指そうとする子は多いよう。親子ともに気持ちをリスタートさせたいところですよね。一方、「もしうまくいかなかったらどうしよう」という不安もつきもの。不安との付き合い方や再登校の準備について、考えていきます。

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新学期、再スタートできるかな

学校に通うのが難しい子の中には、新年度から再登校を頑張ろうとする子もいるかと思います。
学年が変わるタイミングだからきっと大丈夫だろうと感じる気持ちと、うまく再スタートできるか、不安に思う気持ちの両方があるはず。

再登校に向けて準備しておきたいこと、もし難しかったときの対処について、考えてみます。

再登校に向けて考えておきたい親の心構えについて

子どもの気持ちは十二分に確認と共有を

どんなに仲が良くフラットな関係の親子であっても、子どもは親の顔色を見ているものです。

子ども自身の本音として、再登校に向けて今頑張っていきたいのか、それとも「ママが背中を押してくれるから」「パパが心配してるから」頑張ろうとしているのか、わからなくなってしまうときもあるでしょう。

そもそも「自分がどうしたいのかわからない」「もやもやしてるけど、言葉にして伝えられない」と感じている子も多いんです。

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親子間の話し合いだけでは、本音が隠れてしまい子どもの気持ちを汲み取りきれないときもあります。
スクールカウンセラーや学校の先生、子どもが信用している身近な大人など、第三者も頼りながら、いろんな面から子どもを理解していけるとよいでしょう。

「やっぱり無理」と言われたら

先週までは「新学期から頑張る」と言っていても、登校日が近づくと「やっぱり無理」と言うケースは多いです。

そんなとき、「本音はどっちなの?」と聞いたり、「先週はこう言っていたじゃない」と詰めてしまうと、ネガティブな方向にいきやすくなってしまいます。たしかに親からすると、期待と落胆を繰り返している気がしてきますし、「無理なら最初から言ってよ」とも思いますよね。

ですが、子どもは「行きたい気持ち」と「行けない気持ち」の両方を抱えているんです。「頑張りたい気持ちと無理かもって思う気持ちの両方があるんだね」と伝え、話し合っていくと糸口が見えやすくなります。
白黒つけようとするのではなく、日々揺れている子どもの気持ちを受け止めていくのが大切。

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気持ちが落ち着かないとき、結論が出ないときは、一晩寝てから考えるのも重要です。「安全な場所」、「十分な睡眠と食事」がそろっていないと、気持ちは不安定になりやすいもの。

大切な選択だからこそ、結論を焦らずゆっくり考えていけるといいですよね。

難しかったときの居場所も考えておく

4月からは必ず行けるだろうと前向きな気持ちだけを持っておくのもリスクがあります。もし難しかったときの対処や居場所も考えておけるとよいでしょう。

スクールカウンセラーや担任の先生と相談し、その子に合ったセーフティーネットが必要です。

  • 一時的にフリースクールを利用する。
  • 習い事のみ継続し、家で休養する。
  • 行けるときは保健室や図書室で過ごしてみる。
  • 放課後にスクールカウンセラーに会いに行く、先生にプリントをもらいに行く。

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「もし難しい場合は、こういうスモールステップで進んでいけば大丈夫だからね」と共有しておいた方が安心できる子もいます。
子どもの不安の強さや性格を鑑みて、「難しかったときの居場所」を備えておくのも大切なんですね。

月単位でなく年単位で考えていく

「この機会を逃したらまた1年いけなくなるかも」「勉強もどんどん周りと差が開いてしまうかも」など、焦りや不安を抱くのは当然です。

ですが、「学校に行けない」というのは子どもが出している大切なヘルプサイン。
再登校は、子どもにとって適切なタイミングでなければ、結果としてまた数か月後に辛さが戻ってきてしまいます。

1か月後にどうしていてほしいかだけでなく、数年後子どもがどういう状態であってほしいかを想像しながら、子どもに寄り添ったフォローをしていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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