教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
「幸せの達人」になるための5つのコツ
1.日々の小さな幸せに気づける
幸せの達人は、日常の小さな幸せに感動や感謝の気持ちを持っています。
SNSで他人の華やかな投稿を見て、つい自分と比較してしまうことがあるかもしれません。しかし、一歩引いて考えてみましょう。「〇〇がなければ幸せになれない」と思っていると、「もっと欲しい」欲求に縛られ、さらに生きづらさが増すのです。
例えば、自宅での毎日のコーヒータイムを幸せだと思えていると、ホテルラウンジで飲むコーヒーは「さらに楽しい」と感じられ、幸せも倍増します。しかし、「ホテルラウンジでのコーヒーでしか幸せを感じられない」という思考になると、自宅で過ごす時間のありがたさを見落とすことになり、非常にもったいないです。
日常の中で小さな幸せを見つけると、全体的な幸福感が高まることが研究でも分かっています。感謝の気持ちは心理的健康を向上させ、ストレスの軽減に大きく役立ちます。家族の笑顔や平和な日々に感謝することで、幸せの達人への道がぐっと開けるのです。
2.自分の時間を大切にしている
自分の時間とは、自分が好きなことをする時間です。
人と会ったり、一人でゆっくりしたり、なんでもOK。ポイントは、“自分がリラックスできる時間を確保すること”です。
自己満足感が高まり、本来の自分を取り戻せるので、余裕があるマインドで過ごせます。余裕がなければ、幸せを見つけることは難しいですよね。
自分が何をしているときにリラックスできるのかを探してみましょう。
3.人の良い面にフォーカスしている
ポジティブな人間関係は、私たちの幸せに大きく関わっていることが研究で分かっています。不快なことばかりにアンテナを張って反応していては良好な関係が築けません。人の良い面にフォーカスすることで、自然と周りに優しくなり、感謝の気持ちが湧いてきます。
ある接客業の方は、苦手なお客さんにイライラしていました。
そこで、良い面を探そうとしたところ、探した部分が祖母と同じことに気づいたとのこと。それからは「大好きなおばあちゃんに似ている」と思うとイライラがなくなって優しい気持ちをもてるようになり、そんな自分も素敵だなと思えるようになったそうです。
周りの人の良いところを見つけることは、幸せの達人への第一歩。自分自身が心地よく過ごすためにも、意識してみてくださいね。
4.お金よりも時間を大切にする
“お金は時間のためにある”という事実に気づいている人は、どのくらいいるでしょうか?
「お金がなければ幸せになれない」と思っていると本末転倒で、人生をただ稼ぐことに時間を費やしてしまうことになります。
楽しい時間を過ごすためにお金が必要だとしたら、自分が何を楽しいと感じるかをはっきりさせることが大切。幸せの達人は楽しい時間を中心に過ごしているので、仕事自体を楽しむ人はその仕事に喜びを見いだし、好きなことへの投資もためらいません。
もし楽しみの中に見栄を張ったり、不要な付き合い、成功しないといけないことが入っているのなら、それらにお金や時間を費やす必要はないですよ。
5.睡眠を大切にする
イギリスで8000人を対象に行われた幸福指数調査では、最も幸福をもたらすと示された項目は「睡眠」でした。
驚くことに、「良質な睡眠がもたらす幸福度は、2000万円の宝くじに当選した人が示す幸福度の平均値と同等であること」が、ウォークリック大学の心理学者と数学者が共同で行った研究で明らかになりました。
最適な睡眠時間は、7~8時間がベストです。これ以上でも、これ以下でも幸福度は下がる傾向があります。質のいい睡眠がとれるように、改善していきましょう!
忙しい毎日を送っていると、次に“やらなければならない”ことに思考が縛られてしまい、目の前の幸せを見落とすことがよくあります。5つのコツで、本質的な幸せの達人になることを目指していただければ幸いです。