子どものサマーキャンプ「おすすめしたい子」「行かせない方がいい子」のタイプとは?

家族・人間関係

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2024.06.29

臨床心理士・公認心理師のyukoです。夏休み、どこか連れて行ってあげたいけど親の都合がつきにくい、何か新しい経験をしてほしい。そんな親御さんが今注目しているのがサマーキャンプ。サマーキャンプの向き不向き、使い方について考えてみます。

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夏休み、子どもに何かしてあげたいけど......

そろそろ夏休みの計画を立て始める人も増えてくる時期。

小中学生の親御さんから今注目を集めているのがサマーキャンプ。子どもだけで参加するもの、親子で参加するもの、比較的近場で開催されるもの、遠方で数泊かけて行うものなど種類は様々。

サマーキャンプは楽しいだけではなく、非日常的な体験を通して積極性や協調性、探索する力を養えるのも魅力です。

サマーキャンプ出典:stock.adobe.com

しかし、どんな子にとっても素晴らしいものかといわれると、やはり向き不向きはあるでしょう。
サマーキャンプをおすすめしたい子と、(現時点では)おすすめしない子、親の捉え方について考えてみます。

サマーキャンプ、どんな子が向いている?

サマーキャンプをおすすめしたい子

  • 何かを始めてみたいけど、何から始めていいのかわからない。
  • 学校以外の色んな友だちと関わってみたい。
  • 親から離れて何かを頑張ってみたい。

新しいチャレンジに対して、比較的抵抗の少ない子はサマーキャンプを楽しんで帰ってこれるケースが多いです。

ただ、意外とわが子がどういうタイプなのかはっきりしていない場合もあるでしょう。

手がかりになるのは、

  • 学校行事や家族旅行などで、新しいものや活動を楽しめるタイプであるか。
  • 学年やクラスが変わっても、なんとなく周りの子と友だちになっていけるタイプであるか。
  • 親がいないときでも周りの大人や年上の子を頼って、困ったときにヘルプを出せるか。

学校で手をあげる子ども出典:stock.adobe.com

当てはまっていて、子どもがサマーキャンプのプログラムに興味を持っている場合は、キャンプが良い経験となるのではないでしょうか。

サマーキャンプをおすすめしない子

  • 場所見知りや人見知りが強く、初めての相手と打ち解けるまでに時間がかかる。
  • 予定の変更が苦手であり、見通しが立たない予定は不安になる。
  • 外で新しい活動に取り組むよりも、自分の好きなことをじっくり行いたい。

サマーキャンプをおすすめしない子出典:stock.adobe.com

上記のような子は親が無理に勧めても、不安や心配が先立ち楽しみきれない可能性が高いでしょう。ただ、ケースバイケースで考えていく必要があり、子ども自身が挑戦してみたいと感じている場合は、事前に対策を話し合っておき、チャレンジするのもひとつです。

言葉だけ聞いてもイメージできず、「よくわからないから嫌だ」という子もいるかもしれません。一緒にパンフレットやHP、参加した人のブログを見て、イメージを膨らませてみるのもおすすめです。

また、主に英語を使用する、子どものみで何泊かする、遠方など、ハードルの高いものにいきなりチャレンジするのは負担が大きいでしょう。半日だけ参加できるもの、親子で取り組めるもの、友だちと一緒に行けるものなど、できる範囲からがおすすめです。

親が「~が良い・良くない」にとらわれすぎない

アメリカが発祥といわれているサマーキャンプ。元々は、子ども同士で誘いあったり、「僕も行きたい」と親にねだるようなイベントだったのではないでしょうか。海外ドラマに登場する子どもが「楽しみで仕方ない!」と言いながら夏休みに準備している姿をイメージがありませんか?

それが今は、「子どもに積極性を身に着けてほしい」「自己アピールや貴重な経験の一環となるよう参加してほしい」など親が子どもに行かせたがるものにも変化しつつあります。

子どもが気乗りしていないのに親が「どうしても行かせたい」と感じている場合、世間の「~が良い/良くない」にとらわれているかもしれません。

  • 親元を離れて数日過ごす経験を小学生のうちからしておいた方がよい。
  • ゲームばかりしていては視野が広がらない。自然の中で過ごす経験をすべきだ。
  • 今はAO入試も増えているから、子ども自身で経験して、経験を言語化する力が必要だ。

親子出典:stock.adobe.com

一理あるのかもしれませんが、世間の見解や風潮が、すべての子どもにとっての正解とは限りません。子どもが興味を持ったタイミングが吉日ともいえます。そのときの子どもに合った経験を積み重ねていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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