教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
「口が軽い人」と「口が堅い人」の見分け方
「口が軽い人」と「口が堅い人」の違いは、何だと思いますか?
軽はずみな発言が後に大きな問題になることもあります。人間関係を良好に保ち、信頼関係を築くうえで「口が堅いかどうか」は、大切なポイントです。
今回は、「口が軽い人」と「口が堅い人」の5つの決定的な違いについて、お届けします。
1.「自制心」
「口が軽い人」は、自制心がないと言えます。
フロンティア・イン・サイコロジー誌の研究でも、自己制御の欠如が感情的な発言を引き起こしやすいことが分かっています。自制心が低い人は「自分が〇〇と思われたいから」という欲求で、周りのことを顧みずに、思ったことを軽々しく発言してしまう傾向にあるのです。
逆に「口が堅い人」は、自制心があります。
感情的になりにくく、軽率な発言を控えることができるため、結果として信頼関係を築きやすくなります。
口が軽いことに悩んでいる人は、すぐに反応や評価を求めてしまうほどに自制心を失っているのだと、自分の状態を理解してあげましょう。
2.「共感力」
「口が軽い人」は、“他人からどう思われているのか”、相手の気持ちよりも自分への評価を優先し、周囲への影響までは深く考えずに発言する傾向があります。
一方で、「口が堅い人」は他人の感情に対する共感力が高く、相手の気持ちを考えたうえで発言を選ぶことができます。
3.「自信」
関係がないように見える“自信”も、じつは「口が軽い」「口が堅い」に関わっています。
「口が軽い人」は自信過剰であることが多く、軽率な発言をすることがあります。そのうえに、自分の発言に対する責任感が欠けていることも。
「口が堅い人」は自分の発言に責任を持ち、自信を持っています。自信があるからこそ、必要なときには意見を述べ、そうでないときは自重する余裕があるのです。
4.「ストレス管理能力」
「口が軽い人」は、ストレスを感じるとその場の感情に任せてしまい、無意識のうちに情報を漏らしてしまう傾向があります。
一方、「口が堅い人」はストレスを上手に管理し、平常心を保てるようにコントロールしています。冷静な判断ができるため、感情に左右されずに、口にする情報を適切に選ぶことができるのです。
5.「プライバシー意識」
「口が軽い人」は他人のプライバシーを尊重する意識が低いため、秘密を守ることが難しくなります。
その反対に「口が堅い人」は自分の個人情報も大事にしますし、他人の情報ももちろん同じように大切に扱います。先にも触れたように、口が堅い人は共感力が高く、他人が不快に感じることを理解できるため、他人のプライバシーを尊重して守る行動をとれるのです。
口が堅い人=社会的スキルが高い人
いかがでしたか?
口が堅い人は、自己管理能力、共感力、情報の重要性を正しく認識できるスキルを持ち合わせており、社会的スキルが高い人だと言えます。さまざまなスキルの総合力によって、口の堅さが守られているのです。
あなたの周りに口が堅い人がいたら、「素晴らしいスキルを持っている人だな」と心の中で賞賛を送っておきましょう。