教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
すぐ自分の話をする人に共通する隠れた心理とは
あなたの周りに、他人の話をさえぎってまで自分の話をし続ける人はいませんか? せっかくの楽しい気分が台無しになることもありますよね。
今回は、そのような行動をとる人に隠れている心理の共通点をお伝えします。
1. 自己肯定感が低く、承認欲求が強い
すぐに自分の話をする人は、自己肯定感が低いことが多いです。
心理学の研究によると、自己肯定感が低い人は他者の注意を引きたがる傾向があり、自分の価値を確認するために自分の話をすることがあります。他人の関心を得ることで、自分の存在を肯定したい深層心理があるのです。
自分の話をすることで、関心を集めるだけではなく、認知や賞賛を得ようとします。他人の話を聞いて認めるよりも、自分が注目されることを優先してしまうのです。
2.社交スキルの不足と不安を隠したい
社交スキルに自信がない人は、「自分が盛り上げないといけない」「沈黙が怖い」と感じてしまい、無理をして話そうとすることがあります。自分がつまらない人だと思われたくない不安から、沈黙を避けようとするためです。自分の話をすることで、会話が途切れる不安を和らげようとします。
また、スキルが不足しているために、他人の話に共感するのが難しい人もいます。適切な反応を示すことができないため、無意識のうちに自分の話を持ち込んで会話をコントロールしようとするのです。
3.自己中心的
自分の話は「みんな聞きたいはず」「面白いはず」と思っており、人の話をさえぎってまで話してしまいます。このタイプは、マウントをとる傾向があるので要注意です。
例えば、「素敵なレストランに連れて行ってもらった」と話をした場合、「私が行った〇〇はもっと良かった」というように、“自分の体験のほうが優れている”方向に話をもっていきます。
自己中心的な人は他人への関心が薄く、自分の考えや経験を中心に話を展開するため、コミュニケーションが一方通行になりがちです。他人の話に興味を持たずに質問もしないとなると、会話のバランスがとれずに、信頼を得るのが難しくなってしまいます。
心地よい人間関係を築くために「自分自身」も意識しよう
自分の話ばかりする人には、隠れた心理や、そうなった背景があります。反論せずに聞き流し、不必要な対立を避けて自分の心地よさを守りましょう。
そして、「自分ばかり話してしまう」と自覚している人は、会話の中で自分の話に偏ってしまうと、信頼関係を築くことができずに関係が薄いままになる可能性があることを理解しておく必要があります。
ダライ・ラマ氏が「本当に賢い人は、自分の話をする前に他人の話を聞く」と言っているように、他人の話を尊重することで信頼を得られ、良好な人間関係を構築できるので、メリットしかありません。相手の話にできるだけ耳を傾けることを心がけてみてくださいね。