教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
メンタルが強い人に共通する「人との付き合い方」
メンタルが強い人には、人付き合いを楽しむという共通点が見られます。どのような付き合い方をしているのか、5つの特徴をご紹介します。
1.気持ちのいい境界線を引いている
メンタルが強い人は、自分のメンタルの状態を心地よく維持できている人。我慢が少ない状態を自分でつくれている人とも言えます。
「自分と他人は違う」という事実をシンプルに認め、過度な期待や押しつけをしません。
例えば、忙しいときには気持ちよく断ることができ、その反対に断られたとしても根に持つことがないのです。
自分の時間ややりたいことを優先できるので、バランスのとれた人間関係を築き、維持することができます。
2.感謝の気持ちを忘れない
感謝は、人間関係を円滑にするための重要なポイントです。
メンタルが強い人は、小さな親切や幸せをキャッチし、感謝を言葉にすることを忘れません。習慣的に感謝の気持ちを表現する人は、脳が小さな幸せにも反応して見逃さないため、「幸せ思考」の持ち主であると言えます。
メンタルが強い人ほど、日常の「ありがとう」を大切にし、人を尊敬している人でもあるのです。
3.批判よりも、励ましを大切にする
メンタルが強い人は、他人の欠点を指摘するよりも、長所を見つけて褒めることを心がけています。
例えば、同僚や部下、子どもに対して、小さな成功を褒めたり声をかけたりするなどして、励ますことを大切にできています。
批判されると、人は誰でも責められていると感じ、脳は不快モードに。注意や指摘が必要な場合でも、「できている部分を先に褒め、その後で指摘する」など、相手が指摘を受け取りやすい順番で伝える努力もしています。
メンタルが強い人は、“脳を快適に動かしている人”なのです。
4.適度に自己開示をしている
人と気持ちよく付き合う上で、信頼関係は欠かせません。
隙のない完璧な人よりも、弱みを見せてくれる人のほうが親近感をもち、信頼できると感じませんか?
「実は、自分も以前は苦手だった」「こんな失敗をしたこともある」「正直、恋愛だけは苦手なんだよね」などと、本心や過去のネガティブな経験を共有することで、距離がぐっと縮まることもたくさんあります。
適度に自分をオープンにすることは、深い人間関係をはぐくむ基盤となります。バランスのとれた自己開示を心がけることが大切です。
5.ポジティブな交流頻度
先ほども触れたように、信頼関係は欠かせないものです。信頼関係を築くためには、交流頻度も重要であることが研究でわかっています。つまり、年に一度しか話さない人よりも、週に一度話す人のほうが信頼されるということです。
もちろん、ポジティブな関わり方をしている人に限るので、ポジティブな交流と頻度を心がけるのがポイントです。具体的には、相手の興味がある話を丁寧に聞く、目標を応援する、挨拶に一言つけ加えるように意識するなどが、信頼関係を築くことにつながるでしょう。
このような人付き合いをしている人は、相手からの信頼と好感を得やすく自然と味方が増えるため、当然の結果としてメンタルも安定します。
自分と他人をありのままに受け入れ、温かい関係を築くこと。これこそが、穏やかな毎日を過ごし、メンタルの強さをはぐくむ道でもあるのです。