自制心とは
自制心とは、自分の欲望や感情をおさえて、行動をコントロールする力のこと。
やりたいことがたくさんある子どもにとって、何かをガマンして別のことをやるのは本当に大変(大人もですね!)。
- おやつやジュースをガマンする。
- お風呂に入りたくないけど、入る。
- ゲームをやっていたいけど、やめる。
- 宿題をしたくないけど、やる。
- 眠たくないけど、ベッドへ行く。
などなど。
生活をしている中で自制心を働かせなくてはいけないシーンは山程あります。
子どもの自制心の大切さを調査したアメリカ、デューク大学の研究があります。
この研究では、1,000人の子どものセルフコントロール(自制心)を調べ、その後の人生の歩みを追跡調査しました。
すると、自制心が高い子どもほど、大人になったときの社会的地位や収入が高い傾向があったのです。
一方で自制心が低い判定をされた子どもには、ギャンブルにハマっている確率、ドラッグに手を出している確率が高い、という側面も。
ただ欲望のままに行動してしまうのではなく、自分を律しながら行動できる意志の力がどれだけ重要かがわかります。
では、どうやって子どもの自制心を育んでいくのでしょうか?
自制心を育むには「ルール」と「お手伝い」が効果的
自制心を育むにはゲームやスポーツが有効だと言われています。
たとえばサッカー。サッカーは手を使わずに、足でボールを蹴ります。
でも小さい子どもには「手を使わない理由」がよくわかりません。なので、平気で手を使ってしまいます。
見ていてとてもかわいくていいのですが、少しずつ「サッカーは手を使わないんだよ」と教えてあげる。
すると、子どもは手を使うのをガマンして足でボールをコントロールしようとし始めます。このようにスポーツにはルールがあり、それを楽しみながら守る練習ができるのです。
ゲームにも必ずルールがあります。
「高鬼(たかおに)」だったら、鬼は高いところに登ることはできません。ジリジリとお互いガマンして、高いところから降りた瞬間を狙ってタッチします。
「だるまさんがころんだ」も、鬼が見ている間は動くことができません。そこでピタッと止まりながら、鬼が「だるまさんが〜」と言い出すのを待っているのです。
こうしたルールがある遊びは、そのルールを破ったら負けになるため、楽しみながら子どもが自制心を育むのにうってつけです。
そしてこれは家庭内のお手伝いやルールでも同じことが言えます。
「お手伝い」で自制心を育もう!
家庭内で一緒に過ごすためには、家族がそれぞれ守らなくてはいけないルールがあります。
そのルール自体は家庭によってそれぞれですが、たとえばわが家では、
- 朝起きたら「おはよう」と言おう
- ご飯を食べたらお皿を自分で下げよう
- トイレや洗面台などを汚したら、自分できれいにしよう
- ゴミが落ちていたら、誰が落としたゴミだろうと捨てよう
- 夜寝る前には、テーブルを空っぽに片付けてから寝よう
などがあります。
これらは、家族が気持ちよく暮らすためのルールで、子どもが小学生になったときに、家族で話し合って決めたものです。
決めたルールは子どもだけじゃなく、大人も一緒に守っていくことが大事。だから親も自制心が日々試されています(笑)
また、親の家事を手伝う「お手伝い」もあります。ご飯を作ってくれたり、トイレ掃除をしてくれたり、お風呂を入れてくれたり。
そうしたお手伝いは「思いやりの心」を育むのに役立ちます。そして、この「他人を思いやる気持ち」と「自制心」には強い相関関係があると言われています。
他人のために何かをしてあげるとき、人は大いに自制心を働かせているのですね。
思いやりの心も自制心も育むことができる「お手伝い」。ぜひ、お子さんにもどんどんやらせてあげましょう。