脳と腸はつながっている?!「脳腸相関」とは?
「脳腸相関」とは、別々の臓器である脳と腸が、お互いに影響を及ぼし合っていることをいいます。
腸から脳へ、脳から腸へ、それぞれどんな影響があるのでしょうか。
<腸から脳への影響>
●セロトニンが作用
セロトニンは、腸内でトリプトファンというアミノ酸から合成され、脳へ伝達されます。この合成を、腸内の善玉菌が担っています。
●神経系による伝達
自律神経などを介して腸から脳へと情報を伝えます。
●免疫系の活性
腸には全身の7割にも及ぶ免疫細胞が存在しているといわれています。
腸内細菌は免疫細胞が活性化するのを促す役割があり、免疫細胞を通じて炎症を抑える効果などが脳で起こっているのではないかと予想されています。
●短鎖脂肪酸による免疫機能の調整
短鎖脂肪酸は腸内細菌によってつくられますが、この物質は腸内環境を整えるなど腸の健康に役立つはたらきがあります。
この短鎖脂肪酸が、脳ではたらく免疫細胞機能の調整に影響していると考えられています。
<脳から腸への影響>
強いストレスを感じたり、緊張状態が長く続くと、脳と腸をつなぐ自律神経やホルモンのはたらきによって腸が異常をきたし、痛みがでたり、調子が悪くなったりしやすくなります。
幸せホルモンの分泌には「海藻」での腸活がおすすめ!
幸せホルモン「セロトニン」をつくるには、腸内環境を整えるのが大切!
腸内環境を整えるのには、腸内の善玉菌が喜ぶ食物繊維を取ることです。
食物繊維も大きく分けて2種類あります。
主に野菜に含まれる「不溶性食物繊維」と、主に海藻に含まれる「水溶性食物繊維」です。
善玉菌がエサにできるのは「水溶性食物繊維」だけで、実は野菜に含まれる「不溶性食物繊維」では腸内環境を整えることができないということになります。
特に「水溶性食物繊維」の中でも海藻に含まれるものは、水に溶けるとゲル状になるという特徴があり、善玉菌のエサになりやすいといわれています。
興味深い実験データも
小林メディカルクリニック東京と順天堂大学医学部が行った共同研究から興味深いデータが出ています。
便秘を気にしている健康な成人男女10名を対象に、片方には水溶性食物繊維を含む米粒状加工食品を、もう片方には精白米100%のご飯をそれぞれ8週間毎日食べてもらい、被験者が感じている「緊張・不安」、「怒り」を測定するPOMS検査(気分プロファイル検査)を行いました。
その結果、水溶性食物繊維を食べることで腸内環境が改善され、セロトニン量が増えることで、ストレスを抑えたり解消できる可能性が報告されています。
海藻を食べて善玉菌を活性化し、腸内環境を整えれば「セロトニン」がたくさんつくられます。
おいしく腸活をして、脳と腸にもダブルでいいことをしていきましょう!