教えてくれたのは……管理栄養士 若山あみさん
愛知県にある「あさひの森 内科消化器クリニック」の管理栄養士。クリニックでは保険診療で野菜の栄養と体へのメリットについて栄養指導を行っている。
バナナに含まれる主要な栄養
前回の記事でご説明しましたが、バナナには主に以下の栄養素が含まれています。
- カリウム
- 炭水化物
- 食物繊維
- ビタミンB群
- アミノ酸
- ポリフェノール
これらの栄養素を効率的に摂取するなら、「食べるタイミング」も重要なポイントです。タイミングによって、どのようなメリットの違いが見られるのかを詳しくご紹介します。
いつ食べるのが正解?タイミング別のメリットの違い
朝食時
バナナはブドウ糖をはじめ、さまざまな糖質が含まれており、寝ている間に失われたブドウ糖を補うためにはぴったりな食材です。
仕事や勉強、運動に集中するためにも、朝食にバナナを食べることで、脳のエネルギー不足を解消できます。
さらに、バナナはセロトニンの材料となるトリプトファンと、セロトニンの合成に必要なビタミンB6が含まれます。セロトニンの分泌には14〜16時間ほどかかるため、その日の夜に熟睡するためには朝に食べるのが効果的です。
昼食時
バナナには、エネルギー源となる糖質と、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1が含まれています。そのため、活動量が増える昼間に食べることで、エネルギーを効率よく補い、疲労回復に役立つのです。
また、バナナにはナトリウム(塩分)の排泄を促すカリウムが含まれているため、デスクワークや立ち仕事など、長時間同じ姿勢で脚がむくみやすい方は、お昼に食べることをおすすめします。
夕食時
寝ている間に足がつりやすい人は、睡眠中に失われるミネラルの不足が原因。
バナナは、ミネラルの補給にも最適です。また翌朝のために、食物繊維やオリゴ糖で腸内環境を整えるのも良いでしょう。
ただし、バナナに含まれる糖質のひとつである“果糖”は脂肪に変わりやすい性質があるため、寝る直前に食べるのは避けましょう。
運動の前
バナナは、さまざまな種類の糖質を含んでいます。
運動の30分前にバナナを食べると、含まれている単糖類がすぐにエネルギーに変わり、小糖類や多糖類は時間をかけてエネルギーに変わるので、エネルギーが持続的に供給されます。
運動中の集中力を高め、エネルギー源として筋肉が分解されることを防ぐ効果もあります。
「バナナ」の栄養を上手に取り入れよう
健康的な生活を送るためには、栄養豊富なバナナを食生活に上手に取り入れるのがおすすめです。“いつ食べるか”によって、バナナがもたらす健康効果が変わります。自分に合ったライフスタイルや体調に合わせて、食べるタイミングを工夫してみてくださいね。