インクルージョンって何?
障がい、国籍、人種、宗教、性別など、バックグラウンドに関係なく、平等ではなく公正に社会参加でき、皆が共存できる社会。これこそ持続性があり(Sustainable)、困難に強く(Resilient)、繁栄し(Thriving)、幸せと心身の健康(Well-being)に繋がると考えられており、多様化、複雑化する現代の世の中で必須な社会政策です。
インクルーシブ教育の魅力
カナダではインクルーシブ教育を通して全ての子どもがバックグラウンドに関わらず同じ環境で学べるように、学びの環境に配慮、便宜の支援があり、誰も取り残されない学びの場が提供されています。「Resource Room」「Self Contained Classroom」と呼ばれる支援学級はありますが、本人や保護者が望めば極力通常学級に通わせられるように支援が義務付けられています。
そのため不登校や引きこもりも少なく、保護者にとっても子育てをしやすい環境です。この教育が後に個々の多様性、違いを認め合い、全ての人が支えあいながら共に生活できるインクルーシブな社会に繋がると考えられています。
カナダの公立小学校でインクルーシブ教育を受ける我が子を見て
長男は現在小学校3年生。プレ1年生であるキンダーガーテンから、カナダの公立小学校に通い始めて4年目に入りました。去年のクラスには会話をしたり、みんなと一緒に外で遊んだりできない重度の障がいを持つ車椅子の生徒がいました。
一緒にできないことが多くても彼はクラスの大切な一員で、そこでクラスに参加することに意味があると思いますし、彼のお陰で普段荒っぽい息子は優しさや気遣いを学んだ気がします。また、障がいなどがあるDiverse Learning Needs(多様な学習ニーズ)の子どもたちを担当するある先生は、いつもウクレレを弾いて校内を歩いていて、その音色がみんなの心を暖かくしてくれます。
さまざまな国からの移民が住むこの国では、学校にも肌の色、宗教、言語などさまざまなバックグラウンドの子どもたちが一緒に仲良く遊んでいます。また生徒だけでなく、今年の担任はLGBTQの一員である先生ですが、子どものよいところを見つけてくれ、親にも子どもにも人気の先生です。
もちろん悪いことをすれば怒られるのですが、インクルーシブ教育の環境でさまざまなバックグラウンドを持つ子ども1人1人の問題を問題視しすぎず、それぞれの子どもの強みを見つけ、障がいや問題をうまくサポートしながら見守ってくれるお陰で、第一言語が英語ではなく、決して優等生とは言えない息子も自己肯定感を損ねることなく、楽しく学校に通えているのだと思います。
今回の記事執筆にあたり、インクルーシブ教育を行うカナダ留学をサポートする留学エージェント「AK JUMP」(akjump.ca)代表、高林美樹さんにお話を伺いました。皆さんも、全ての人に優しい街と学びの場を覗きにバンクーバーに来てみませんか?