「子どもの秘密」に対して親がしてはいけない3つの行動

家族・人間関係

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2024.12.16

先日、知人の心理カウンセラーさんとこんな話をしました。「最近、子どもが何を考えているのか分からない⋯⋯」という悩みをよく聞くと。 成長とともに「言わなくてもいいや」と親にアレコレ言わなくなるのは、自然なこと。でも「何か親に言えないようなことを隠しているのでは?」と不安になってしまうこともある。さて、そんなときに親としてどんなサポートができるのでしょうか。 今日は、僕自身もひとりの親として、これからわが子も思春期に入っていくにあたり学びになったことをシェアします。

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子どもが秘密を持つ理由とは?

秘密のジェスチャーをする子ども出典:stock.adobe.com

子どもが秘密を持つようになるのは、自立心が芽生える自然な発達の一部。特に思春期には、「親に言うのが恥ずかしい」「自分で解決したい」と思う場面が増えます。小学校低学年では些細な秘密(友達との約束など)が中心ですが、年齢を重ねると、恋愛や将来への不安、友人関係の悩みといった深刻な内容も含まれるようになります。

一方で、親への信頼が揺らぐと、子どもは意図的に秘密を増やすこともあるとのこと。「どうせ言っても怒られる」「親には理解してもらえない」と感じてしまうと、心を閉ざしてしまうのです。秘密を尊重し、安心して話せる環境を作ることが、親子の信頼関係を守る鍵となります。

この話を聞いたとき、僕は自分の子ども時代を思い出しました。
「学校に行きたくない」「いじめを受けている」そうしたことを真っ先に相談するべき親に、何一つ言う気になれなかったのです。それこそ「理解してもらえない」「言っても怒られる」「言っても意味がない」と思い込んでいたのです。親にすら言えない悩みを吐露できる友人もいなかったため、非常に孤独が苦しかった時期でもありました。

親がしてはいけない3つの行動

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こうしたときに、親がしてはいけないこと、そしてするべきことがいくつかあると、知人の心理カウンセラーさんに教えてもらいました。
まずは、してはいけない3つの行動から。

1.詮索する
子どもの行動や表情を見て「何か隠しているんじゃないの?」と問い詰めるのは逆効果。詮索されると、子どもはますます秘密を深く抱え込むようになります。

2.プライバシーを侵害する
勝手に日記やスマホをチェックする行為は、子どもとの信頼を大きく損ないます。たとえ心配でも、直接聞く方が誠実な対応です。

3.秘密を否定する
「そんなこと考えなくていい」と、子どもの気持ちを否定するのも禁物。話してくれた勇気を尊重し、受け止める姿勢が大切。

親ができる4つのサポート

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次に「子どものプライバシーを尊重しつつサポートすることが大切」と教わりました。

1.「秘密を持つのはOK」と伝える
子どもに「秘密を持つのは悪いことではない」と教えることが大切。例えば、「何でも話してほしいけど、言いたくないことがあれば無理に言わなくていいよ」と伝えると、子どもは安心感を持てます。

2. 子どもの感情に共感する
「最近、友達とうまくいかなくて……」と話してくれたら、「それはつらいね」「そう感じるのも無理はないよ」と共感すること。親に共感されると、子どもは「話してよかった」と思うようになります。「えっ! なんで? いじめられてるの?」など親のほうが子ども以上に過剰な反応をしたり、それに合わせて詮索をしたりすると子どもは「叱られてるような気持ち」になってしまうことも。

3. 話を否定せず、受け止める
子どもが打ち明けてくれた内容が驚くようなことでも、批判や説教は控えましょう。例えば、「そんなことはダメ」と否定するのではなく、「そういう考えもあるんだね」と受け止める姿勢が信頼を育てます。よかれと思って解決策ばかりを提案するのも注意です。一緒に考えて解決案を出すのは悪いことではありませんが、一方的に「こうするべき」「こうしなさい」というのは負担になることがあります。

4. 親自身が「話す姿勢」を見せる
親が自分の気持ちや失敗を話すことで、子どもも「話しても大丈夫」と感じるようになります。例えば、「ママも同じことで悩んだことがあるよ」と共感を交えながら話すと、親子の距離がぐっと縮まります。これはとても大切で、ぼくも事あるごとに娘が悩み相談をしてきたときに、自分も同じように悩んでいたことがあると話します。そうすると、娘のほうが僕に「そういうときはさ、こうすればよかったんじゃない?」なんて言ってきたりする。それが、自分自身に響くようで「あ、じゃあわたしもそうしてみる」と勝手に納得していたりします。
聴くことが大切なのは間違いありませんが、親の自己開示も同じように大切なのだなと思います。

子どもとの信頼関係を深めるために

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子どもが秘密を持つのは成長の一部。それを理解し、見守る姿勢を持つことで、親子の信頼関係は保たれます。親の役割は、子どもをコントロールすることではなく、支えること。「困ったときにはいつでも頼れる存在である」と示し続けることが大切です。
まずは子どもに「話しても話さなくても、いつでも味方だよ」と伝えてみてください。その言葉は、きっと子どもの心に届くはずです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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