パートナーに愛情はあるのに…なぜかうまくいかないワケ

家族・人間関係

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2025.11.05

こんにちは! 家事シェア研究家の三木です。「夫婦仲はいいんですけど、家事育児になると途端にイライラしちゃうんです」先日そんな相談を受けました。愛情はあるのに、なぜかうまくいかない。その理由は、もしかしたら「リスペクト」が足りていないからかもしれません。

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愛情があるのに、なぜうまくいかない?

うまくいかない夫婦関係出典:stock.adobe.com

夫婦仲は悪くない。むしろ、愛情だってちゃんとある。

でも、家事育児の分担の話になると、途端にすれ違ってしまう。「言ってくれればやるのに」「そうじゃなくて、気づいてほしいの」と、お互いの言い分がぶつかり合う。こうした話を聞くたびに思うのは、「愛情だけでは埋められない溝がある」ということです。

もちろん、愛情は大切です。でも、結婚生活を支えるのは愛情だけではありません。もうひとつ、とても重要な要素があるのです。それが「リスペクト」です。

「愛情」と「リスペクト」は何が違う?

愛情とリスペクトは、似ているようで全く違います。

愛情は「好き」「大切に思う」という感情。相手のことを思う気持ち、一緒にいたいという感情。これは恋愛の中心にあるものです。

一方で、リスペクトは感情ではなく、態度や行動に表れるものです。僕が考えるリスペクトとは、「相手の人生に敬意を払い、応援できること」です。

応援する出典:stock.adobe.com

パートナーを、自分の人生を補完する相手としてではなく、自分が相手の人生を補完できる喜びを感じられるということ。たとえば、「愛情はある」と言いながら、相手の時間や人生を軽んじてしまうことってありませんか?

「家にいるんだから、これくらいやってよ」「仕事って言っても、俺のほうが大変だし」。こうした言葉の裏には、相手の人生への敬意が欠けています。

愛情は感情。リスペクトは態度。恋愛では愛情が中心になりますが、結婚生活ではリスペクトが土台になるのだと思います。

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リスペクトがある夫婦は助け合える

助け合い出典:stock.adobe.com

パートナーへのリスペクトがある人は、どのような接し方をするでしょうか。まず、相手の時間を尊重します。だから、家事育児の負担に自然と気づけるのです。「あの人、毎日こんなに大変だったんだ」と。

そして相手の人生を応援します。パートナーのキャリアや趣味を、心から応援できる。「がんばって」じゃなくて「応援してるよ、何か手伝えることある?」と言えるようになる。

また、相手の意見を尊重もします。意見が違っても、それは喧嘩の種ではなく、ただのアイディアの違いでしかない。そして何より、「この人の役に立てて嬉しい」という気持ちが生まれるのです。

家事シェアが上手くいっている夫婦を何組も見てきましたが、必ずと言っていいほど共通しているのが、お互いに対してのリスペクトを持っているということでした。逆に、上手くいかない夫婦が失ってしまっているのも、お互いへのリスペクトなのです。

リスペクトは日々の小さな積み重ねから

積み重ね出典:stock.adobe.com

では、リスペクトを育むためには、どうしたらいいのでしょうか。

まずは、「相手は他人である」ことを意識してみてください。

どんなに親密でも、夫婦はもともと他人同士。同じ価値観、同じ考えを持っているはずがありません。だからこそ、相手の時間や人生を、自分のものと同じくらい大切に扱う必要があるのです。

相手がやりたいことや大切にしていることに、興味を持ってみましょう。「最近、何に興味あるの?」「どんなこと考えてる?」。そんな会話から、相手への理解が深まっていきます。

そして、「ありがとう」「お疲れ様」を日常的に伝えること。こうした小さな言葉の積み重ねが、リスペクトを育んでいくのです。

完璧じゃなくていい。少しずつでいいんです。

愛情とリスペクト、両方があるから深い関係になれる

愛情だけでは乗り越えられないことも、リスペクトがあれば乗り越えられます。

お互いの人生を尊重し合える関係は、夫婦の絆をもっと深くしてくれるはずです。

ぜひ、パートナーの人生に敬意を向けてみてください。「尊敬する人にうまくいって欲しい」という気持ちと「この人の役に立てて嬉しい」という気持ち。

この両方を持てたとき、きっと二人の関係がもっと豊かになるはずです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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