「捨てる」ではなく「選ぶ」
クリスマスにお正月。子どもにとって楽しみなこの時期に、「片付けしなさい!」と言うと、子どもはたいてい構えてしまいます。子どもにとって片付けは、大切なものを捨てさせられる行為に感じやすいもの。いつの間にか増えてしまったおもちゃを前に、大人はついつい、「捨てなさい!」と片付けを促してしまいがちです。
そうなると、子どもにとって片付けは親に捨てることを強要される行為だと刷り込まれてしまいます。一度、片付けをネガティブな行為と捉えてしまうと、なかなかポジティブに片付けに取り組めなくなるもの。
子どもに片付けを自主的にできるようになってもらうには、一緒に行う片付けは、「捨てる」ではなく「選ぶ」時間にしましょう。
片付けを通して子どもに体感してほしいのは、自分自身で「選ぶ」ということ。
「新しいおもちゃがおうちにきたから、いったんおもちゃを整理してみよう。これからも大切にしたいモノを選んでみよう!」と、捨てることを促すのではなく、残したいものを選ぶ。
子どもの片付けで大切なのは「量」より「感覚」
・これが好き
・これは今もよく遊ぶ
・これは見ていると嬉しい
子どもなりの理由で十分です。
大人の「使っていない」「もったいない」という判断は、いったん横に置いておきましょう。
この経験こそが、「自分で選んでいい」という感覚を育てます。子どもの選ぶチャンスを奪うのではなく、自分で主体的に選ぶという経験をさせてあげてください。
片付けを見守る
子どもの片付けが進まない理由の多くは、子どもではなく、親の不安です。
- せっかく買ったのに
- まだ使えるのに
- 思い出があるのに
しかし、子どもは意外にも「今」を生きています。親が一歩引いて見守ることが、子どもの選ぶ力を育てます。
この時期に
- 選ぶ
- 立ち止まる
- 大切にする
という体験をしておくと、「増える前に整える」が自然な習慣になります。子どもの行動を信じて見守り、片付けの様子をそっと支えながら選ぶ力を育てていってください。
年末年始の片付けは、部屋をきれいにするためだけのものではありません。これから先、モノが増え続ける人生の中で、自分で選び取る力を育てる時間です。
親子で片付けを一緒に
親子で少し立ち止まって、親子で「選ぶ」時間を前向きに取り組むことこそ、尊い時間となり、ひいては子育てに繋がっていきます。家庭以外で片付けを学ぶ機会は少なく、親の担う役割はとても大きいです。片付けのスキルを身に付けておくことは、生きていくうえでとても大切です。
家庭の中で親子で過ごす何気ない暮らしの中で、親子で片付けに一緒に取り組むことは、とてもクリエイティブな時間となり、子どもにとって財産となります。たかが片付け、されど片付け、親子でどうか片付けに取り組んでみてください。



