「友だちトラブルがない」は本当に安心サイン?
友だちから「一緒にいて楽な子」と言われている娘。遊ぶ内容も、係決めでも「どれでもいいよ」と譲れる。友だち同士が意見でぶつかりそうになると、さっと話題を変えるのも上手。先生からは「クラスの潤滑油」と言われている。しかし時折、帰宅後無言で部屋に行き、ベッドに倒れこむことがあり、「無理してるのかな?」と感じるときがある。
人と調和する力、軋轢を生まない力は大きな長所。
ただその力を常に使い続けると、「本当はどうしたいか」を後回しにする時間も増えていきます。
“うまくやれてしまう子”だからこそ、抱えやすい悩み、気づいておきたいサインを考えてみます。
「うまくやれてしまう子」の心には何が隠れている?
友だちとの関係をうまくやれるタイプの子は、
- 空気を読むのが上手
- 相手に合わせられる
- 場の空気を壊さない
- もめごとを察知するセンサーが敏感
などの力が強いことが多いです。
一方その背景には、
- 嫌でも「いいよ」と言える
- 自分の気持ちを後回しにできる
- 寂しさやモヤモヤを自分の中で処理しようとする
”長所に見える弱さ”が隠れている子もいます。
つまり 「困っていない」のではなく“困らないように振る舞えてしまう” んですね。
合わせている自分・ 気をつかっている自分では人と関われているけど、それは本音ではない。
そこに気づくと、”みんなといるのに少し孤独”、”本当の自分をわかってもらえていない”と感じてモヤモヤしてしまいます。
親はどのように支えていくのがよいのでしょうか。
外で頑張れてしまう子に親ができることは?
グレーな気持ちを聞く
外で上手に振舞える子は、家族に対しても甘えを見せず器用に振舞えてしまいます。
「嫌なことあった?」と聞くと、「別に。大丈夫だよ」で終わってしまうもの。
聞き方を変えて、
- ちょっとだけモヤっとしたことある?
- ほんとは違うなって思ったことあった?
- 少し早く帰りたいなって気持ちになったんじゃない?
と、グレーな感情に焦点を当てると、本音の入り口が開きやすくなります。
人に合わせる力を、手放せる場を作る
上手に気を遣える子だったり、下の子がいたりすると、家の中でも「別にいいよ」と相手に合わせる癖がついていることも。
家の中では、子どもが合わせなくていい空気をあえて意識してみてください。
- 今日はママが合わせる日ね
- 決めるのめんどうだったら言ってね
- 〇〇の思うままにやってみよう
このように伝えるだけでも、気持ちがふっと楽になります。
衝突を避ける力が高い子ほど、「合わせなくてよい経験」が心の回復につながるんですね。
「波風を立てない=正解」ではない
家族の間でも喧嘩がほとんどない、親自身が「波風立てない=正解」という価値観を強く持っている。
そのような家庭の子が学校で潤滑油的存在になっていることも多いです。
親自身が、
- 話が合わない人がいるのは普通
- 仲良しでも考え方が違うのも普通
- ずっと人と居続けるのは疲れるときもある
など、関係の多様さを言葉にすると、子どもの心の自由度を広げます。
安定している関係と、安心できる関係は違う
友だち関係が安定していることは、親にとっても安心材料ですよね。
しかし、「衝突がない=うちの子は大丈夫」というわけではありません。
トラブルを起こさない力は長所ですが、それが“自分の気持ちを引っ込めること”とセットになると、孤独感に繋がるケースも。
外で頑張れる子こそ、家では「本音を出しても関係は壊れない」という体験を重ねていけるといいですよね。



