教えてくれたのは……ライオン株式会社 お洗濯マイスター 大貫和泉さん
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。ライオン株式会社が運営するWEBサイト「Lidea」にて、お洗濯に関する記事作成や監修を担当
雨の後、お手入れをしないとどうなる?
使ったあとのレインコートを濡れたまま畳んだり、ビニール袋に入れたまま放置したりしてしまったことがありませんか? 実は、レインコートの撥水効果が落ちてしまう原因になってしまうのです。イヤな臭いの原因になってしまうこともあるので、レインコートの着用後は十分気を付けたいですね。
適切にお手入れする方法は?
では、どうやって着用後のレインコートのお手入れを行えばいいでしょうか。お洗濯マイスター 大貫さんに聞いてみました。
汚れたら洗濯をしよう
レインコートも洋服と同様、洗濯が大切です。汗をたくさんかいた後には洗濯をおすすめします。また、泥はねなどの気になる汚れがついたときも同様に、洗濯をしましょう。
まずは洗濯表示を確認
レインコートはもちろん衣類全般には、それぞれ洗濯表示がついています(2016年に改定)。洗濯をする前には、必ず洗濯表示を確認しましょう。また、洗濯表示以外にも、タグ等に注意書きがある場合もあるので一緒に確認してみましょう。
▼洗濯可能
▼洗濯不可
洗い方を確認して使用する洗剤を選ぶ
洗濯表示で家で洗えることを確認したら、洗い方を選びます。
洗濯機で洗う場合は、「おしゃれ着コース」や「ドライコース」などの弱い水流のコースで洗いましょう。
漂白剤入りの洗剤では、洗えないものもあるので注意が必要です。デリケートな素材が多いレインコートは、おしゃれ着用洗剤がおすすめです。
目立つ汚れ部分には、洗剤の原液を直接付けておきましょう。
洗濯時に気を付けたいこと
洗濯機を使用する場合は、大き目にたたんで洗濯ネットに入れてから洗濯しましょう。そしてなるべく脱水は短時間ですませるようにしましょう。特に薄手のナイロンなど合成繊維はシワがつきやすいので、水がたれ落ちない程度の脱水で十分です。
通水性のないビニール素材や透湿防水素材などは、脱水時の水抜けが悪いので洗濯機の使用を避け、手洗いがおすすめ。洗った後は、バスタオルなどに挟んで水気をしっかり取りましょう。
ナイロンやポリウレタン素材のレインコートは、特に紫外線ダメージを受けやすいので、直射日光が当たらない場所に陰干しがおすすめです。
洗濯以外のお手入れ方法は?
洗濯するほど汚れていないときの日常的なお手入れはどのように行えばいいのか、お洗濯マイスター 大貫さんに教えてもらいましょう。
まずはしっかり乾かす
レインコートが濡れている場合は、まずしっかり乾かすことが大切。ハンガーにかけて日陰に干しましょう。泥や汚れがついていたら、ぬるま湯や薄めた洗剤液を固くしぼったタオルで拭き取ってくださいね。洗剤液を使った後は、最後に水拭きを忘れずに。
撥水スプレーもおすすめ
完全に乾かした後は、風通しの良い屋外で撥水スプレーを噴射するのも効果的です。表面がしっとり濡れる程度にスプレーした後は、風通しのいい場所でもう一度しっかり乾かしましょう。
肩や裾などの濡れやすい箇所は忘れずにスプレーしておきましょう。
これはNG!やってはいけない管理法
濡れた状態のまま畳んだり、ぐちゃぐちゃの状態でビニール袋に入れたりしてしまうと、せっかくのお気に入りのレインコートの撥水効果が弱くなってしまいます。さらには、臭いの原因になる雑菌の発生にもつながってしまいます。
適切なお手入れを心がけて、清潔な状態で長く使いたいものですね。