「うちの子、中学受験させるべきなのだろうか…。」中学受験と相性がよい“親子のタイプ”とは

家族・人間関係

2023.01.26

臨床心理士・公認心理師のyukoです。いよいよ受験シーズン本番となり、来年以降の中学受験を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、はたして自分の子どもが受験を乗り越えられるかどうか不安、受験の向き不向きがわからない親御さんも多いかと思います。中学受験には子どもの成績のみでなく、親子それぞれの考え方や性格が大きく関わってきます。親子の傾向から、中学受験の向き不向きについて考えていきます。

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中学受験に必要な親子の力とは?

中学受験には様々なメリットがある一方、親子には体力・精神力・経済力を求められます。
また、成績が伸び悩んだとき、気が変わったとき、うまくいかなかったときには親子のコミュニケーションが欠かせません。

どんなコミュニケーションが取れれば受験を乗り越えられるのか。また、受験との相性がよくない考え方とは。
親子のタイプから受験との相性を考えていきます。

中学受験と相性がよい親子のタイプ

客観的・冷静に子どもを見れる親×困ったときに親を頼れる子

「子どもはA中学の制服を気に入ってるけど、厳しめの校風は合うかな?」
「この時期に合格率30%以下は厳しいかも。本人と塾の先生と相談しよう。」
など、様々な面から志望校について検討したり、成績を客観的に受け止める力は中学受験の強い味方となります。

また、子どもが「自分はこのままでいいのかな?」「このやり方であってる?」と迷ったとき、親に頼れると、よいチームワークで軌道修正していけます。

親子出典:stock.adobe.com

逆に、「なにがなんでもB中にいれる!」「塾に任せてればなんとかしてくれるか」など、現実に目を向けない親御さんや、困ったときに一人で抱え込んでしまうお子さんはあまり向いてないかもしれません。

子どもの意思を尊重できる親×目標を据えて頑張りたい子

子ども自身のモチベーションも中学受験の大きな武器となります。

中長期的に学習を積み上げていく段階でも、最後の追い込み段階でも、粘り強く取り組めるかどうかは本人のモチベーション次第だからです。
そして、そんな子どもの意思を信じ、後ろから支えるスタンスを維持できる親御さんの存在も大きいもの。

逆に、まだ今の小学校生活を存分に楽しみたい子や、不安が先回りして目標を下げさせてしまう親御さんは要検討かと思います。

ピンチのときも前向きに捉えられる親×いろんな経験をしてみたい子

中学受験は、本番のみならず、受験勉強の過程から様々な課題に向き合わなければいけません。

例えば、

  • 大事な模試の前日にインフルエンザにかかってしまう。
  • 受験1か月前に成績ががくんと下がってしまう。
  • 子どもが突然受験勉強をもうやめたいと言い出す。
  そんなとき、
  • 「ちょっと頑張りすぎて体調崩したのかな。休んだほうがいいっていうサインかも。」
  • 「緊張とか不安で成績が下がっちゃったのかもね。今までの努力は積みあがってるはずだから大丈夫」
  • 「どんなところからそう思うの?あなたにとって一番よい道を一緒に考えよう」

このように前向きにとらえて子どもを励まし、労う力が支えとなります。

親子出典:stock.adobe.com

また、子ども自身にも今まで経験することのなかった出来事をある程度受け止めていく器が必要です。
今まで以上に広く深い勉強ができたり、模試で実力をはかったり、周りの子と切磋琢磨する経験にも興味がある子は向いているかと思います。

逆に、予想外の出来事がとても苦手な親御さんや、環境の変化が負担になる子、競争が怖い子は様子を見た方がいいかもしれません。

どんな状況も受け入れられる親×自分の気持ちを素直に言える子

どんなに成績がよく、合格率80%以上でも、結果はわからないのが受験です。
実際、塾の費用や受験料の数百万が水の泡になったり、これまでの努力が報われず挫折経験になってしまうときもあります。

「合格だけがすべてではない」「受験勉強の過程で努力する大切さをわかってくれたら嬉しい」など、親御さんが精神的にも経済的にも、余裕をもてると、子どもは安心してチャレンジできます。

また、「週に1回は友達と遊ぶ日を作りたい」「こないだの模試の結果を見て自信なくなってきちゃった」など、自分の気持ちを素直に話せる子は必要な支えを得て、努力し続けやすくなります。

嘘のない率直なコミュニケーションが、高い壁を乗り越えるための武器となるんです。

探していきたいのは「子どもに合わせた進路選択」

笑顔の子ども出典:stock.adobe.com

住んでいる地域やコミュニティによっては、「受験するのが正解」のように感じられてしまう場合もあるかもしれません。しかし子どもの人生にとって大切なのは「中学受験」や「合格」のみではなく、「子ども自身に合った進路選択」です。
世論や周囲の意見に振り回されず、「その子らしさ」を尊重した選択ができることを願っています。
 

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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