「子どもが勉強しない……」親が知っておくべき“勉強しない3つのタイプ別対処法”

家族・人間関係

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 「勉強しない理由」から考えるタイプ別の対応

2023.03.08

臨床心理士・公認心理師のyukoです。あっという間に2月も終わり、3月には春休み、4月からは新年度が始まります。そんな中で勉強せずにだらだらしている子を見るとイライラして「4月からの勉強についていけなくなるよ」とプレッシャーをかけてしまいたくなるときも。闇雲に叱るのではなく勉強をしない理由を理解し、タイプ別の対応をしていくのが大切です。3つのタイプに分けて、考えていきます。

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もくじ

親の心配をよそにゲームばかりの子どもにイライラ...
タイプから考える、勉強しない子への関わり方
勉強に興味が持てない子
勉強ができないから嫌いな子
勉強の意味が見出せない子

親の心配をよそにゲームばかりの子どもにイライラ...

「他の子はもう準備してるよ」
「中学になると勉強難しくなるから困るよ」

もうすぐ新年度だというのにゲームばかりしている子どもを見ると、「勉強しなさい!」と言いたくなりますよね。

中学での勉強についていけるのかな。
高校進学に向けて勉強の癖を身につけられる?

親の不安は募っていく一方、何を言っても子どもに響かないとイライラしてくるもの。

勉強しない子と一言に言っても理由は様々。タイプ別に対応を考えてみます。

タイプから考える、勉強しない子への関わり方

勉強に興味が持てない子

どうしても勉強に興味を持てない子には、周囲が無理に詰め込もうとしてもあまり意味がありません。

そんな子の場合は、一度気持ちを切り替えて、興味を見つける・深めるところからです。

  • 児童書が充実している本屋・図書館に足を運ぶ
  • 高校や大学の学園祭に足を運ぶ
  • 子どもが好きな分野(恐竜や電車など)の博物館に行く
  • プログラミング・eスポーツの体験プログラムに参加してみる

勉強する子ども出典:stock.adobe.com

机上で行う5教科の勉強だけが、勉強の全てではありません。
「知る楽しさ」や「憧れに近づく嬉しさ」などの経験が、学習への動機を高めます。

遠回りに見えても、糸口となる興味関心に目を向けるところから始めてみてください。

勉強ができないから嫌いな子

わからないことばかりで、勉強に全くついていけていないと、嫌になるのも当然。

勉強についていけていない子の中にも、「わからないことがわかっている子」と、「わからないことがわからない子」がいます。

親が子どもの目線に立って、ひとつずつ教えるのはなかなか難しいもの。
「なんでこんなのもわからないの?」などと感情的になってしまう親御さんも多いです。
勉強ができず叱られた経験が積み重なると、さらに嫌いになってしまいます。

子どもを𠮟る親出典:stock.adobe.com

そんな子の場合は、個別指導や家庭教師など、外部に委託するのがよいかと思います。

どこから躓いているのか、何から手をつければよいのか。
指導のプロに客観的に見てもらう必要があるからです。

塾というと、より高みを目指す子が行くものと思われがちですが、勉強嫌いの子こそ、専門家に寄り添ってもらいながら学習する経験が肝心です。

勉強の意味が見出せない子

微分積分が何の役に立つの?
長い文章を読んで作者の意図を考えることに意味ある?

そう言い返されたとき、上手く答えられず「屁理屈言わずに黙って勉強してなさい」とあしらってしまうのは要注意。
「勉強=役に立たない楽しくないもの」というイメージがさらに固まってしまいます。

学校で習う勉強には、やはりそれぞれ意味があります。

国語からは「文章を正しく理解し、要点を捉える読解力、人の心情や背景を理解して慮る力」の基礎をまなび、コミュニケーション全般に役立てます。
数学からは、「根拠に基づいて論理的に思考する力」の基礎を学び、筋道を立てて解決する方略を身につけていきます。

「それぞれの学習にどんな意味があるのか」、まずは大人が知っておく必要があるんですね。

子どもに勉強を教える親出典:stock.adobe.com

その上で、子どもにわかる言葉で大人の経験を伝えていくのが役立ちます。

「会議でわからない言葉があっても意味を説明してくれないし、話のスピードについていけないとおいていかれてしまうから、早くから読解力を身に着けておけばよかったと思ってるよ」
「使うはずないと思ってた数学の知識も、エクセルでデータを管理したり、プログラムを作る中で重要だって気づいたんだ」など。

他にも、雑談をする中で知識の浅さが恥ずかしくなったり、社会背景を知っていたほうがニュースを理解しやすいなど、大人になるとわかる勉強の大切さがあると思います。

親自身の経験から大切さを伝えたり、ときには横に並んで一緒に勉強するのもおすすめです。

「生涯を通じて学び続ける姿勢」が意義のあることだと、背中で示していけるとよいのではないでしょうか。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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