学校に行けなくなったとき、周りの人にはどうしてほしい?
子どもが学校に行けていない期間、子ども本人も大人も色んな気持ちでいっぱいいっぱいになってしまうもの。
子どもは、怒られたり慰められたり励まされたりする中で、なぜ自分がこうなったのか、どうしていけばよいかわからず落ち込んでしまうときもあるかと思います。
一方大人は、これからどう接していけばよいのか、誰に何を相談すればよいのか、一体どうしてこうなったのかなどと戸惑い、焦りやすくなります。
子ども自身は学校に行けなくなったとき、どんな風に接してもらえたら少しでも楽になるのでしょうか。
学校に行けなくなったときの子どもの本音について
言いにくい話は代わりに話してほしい
今日行けそうかどうか、どのような行き方であれば負担は少ないか、進学・進級はどうしていきたいか。
本人の口から話してほしいことはたくさんあると思います。
しかし、その子なりの大人との距離感や関係性が気になる子は多く、特定の人にしか言えない気持ちもあります。
例えば、
- 怒らないで聞いてくれる母親には言えるけど、父親は少し怖くて言えない。
- 担任の先生と話すときは緊張して固まってしまうけど、保健室の先生なら大丈夫。
- 今は家族以外の人と話したくない。お母さんから先生に伝えてほしい。
その子の性格や、相手との相性、気持ちの状態によって、話せる相手は変わってきます。
「それくらい自分で言いなさい」ではなく、「誰となら話しやすい?」「自分で言えそう?代わりに伝えた方がいい?」など尋ねながら、話を進めていくのがおすすめです。
家族の仲が変わらないでいてほしい
不登校が、家族全体の問題となり、夫婦喧嘩を聞くのが辛いという声をよくききます。
例えば、学校との付き合い方を考えるうえで夫婦の価値観がすれ違ったり、責任の押し付け合いになってしまい、衝突するご夫婦は多いです。
自分が原因で両親が頻繁に喧嘩しているとなると、家でも居づらくなってしまいますよね。
また、”期待に応えられなかった”と、さらに自信を失ってしまう子も。
寝ているから大丈夫と思っていても、夫婦の会話が聴こえてしまうときは多いです。
子どもに聞かれてはいけない話は、本人がいない場所・いない時間に行うのが大切です。
また、一番に重視したいのは子どもの気持ち。
夫婦で先に決めてしまうのではなく、「子どもと話し合う時間」を設け、「子どもの考えを聞ける場所」を作るのが支えとなります。
元気が出てきたら、色んな可能性を一緒に考えてほしい
学校からしばらくの間離れ、食事や睡眠が整い、好きな活動を楽しめるようになってきたら、これからどうするかを一緒に考えていくのが必要です。
「これからどうするか」については、以前のように通うことが全てではありません。
- 保健室や図書室など、行けるところに数時間滞在する。
- 放課後に先生と数分話に行く。
- オンラインで授業に参加する。
- 転校を視野に入れているのであれば、パンフレットやHPを見てみる。
親から見ると”突然の不登校”でも、子ども視点で考えると、行きたくない気持ちが少しずつ溜まっていき、ある日コップの水が溢れてしまったような感覚です。
回復の過程においても、できそうなところから少しずつ試していき、難しければ休憩したり後戻りしながら進むのが大切。
学校や先生によってできる対応は異なるので、相談を重ねながら模索していけるとよいでしょう。