「自分を後回しにして頑張りすぎてしまう」から卒業する方法

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 「自分を後回しにして頑張りすぎてしまう」から卒業する方法

2023.07.24

ついつい自分を後回しにして、頑張りすぎていませんか? 前回の記事では、頑張りすぎている時のサインと、自分を後回しにして頑張りすぎてしまう人の5つの特徴についてお伝えしました。 今回は、そんなあなたのための「自分も人も大切にしながら心に余裕が生まれる自分軸の育て方」についてお伝えしてきいます。

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「自分軸」ってなんですか?

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前回の記事の最後で、<ついつい自分を後回しにしてしまうのは、知らず知らずのうちに「他人軸」になってしまっているから>とお伝えしました。

そもそも「他人軸」とか「自分軸」って、なんなんでしょうか。

「自分軸」とは、まず先に「自分はどうしたいか」という自分の気持ちや希望があって、そこからまわりに目を向け、自分の行動を選択している状態。

一方で、「他人軸」とは、まず先に「他人がどう思うか」という他人の気持ち、状況などが先にあって、そこから自分の行動を選択している状態です。

「他人軸」になっている時は、知らず知らずのうちに自分の気持ちや状況を軽んじてしまうために、本当はしんどかったり、本当はそうしたくなかったりしても、「自分を後回しにして頑張りすぎてしまう」ことが起こってしまうんですね。

というわけで、さっそくあなたの心に「自分軸」を育てていく方法をお伝えしていきます。

「自分を後回しにして頑張りすぎてしまう」を卒業する方法

自分も人も大切にしながら心に余裕が生まれる自分軸の育て方。

ステップ1:ホッとする時間を作って、外側に向いている意識を内側に

「あれとこれをしなくちゃ」「どうしたらうまくいくかな」「あの時、あの人はどう思ったかな?」etc
何気なく過ごしていると、意識はどんどん外側に向いていきがち。

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・スマホから離れて、食事やお茶をゆっくりと味わう。
・ゆっくり丁寧に深呼吸をする。
など、「今ここ」を感じる時間を作ることで、自分の内側に意識を戻しましょう。
ホッとする、心地よい、そんな体の感覚とともに、自分の軸とペースが戻ってきますよ。

ステップ2:自分を労う

「足りない」「できてない」「持ってない」など、自分の「ない」部分にばかり目を向けていると、その「ない」を埋めるために、「他人の期待に応えなくては」と頑張りすぎてしまうことも。

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「今日もよくやったね」などと自分を労う習慣を作ってみてください。
続けているうちに、自分の中の「できていること」「ある」ものに目を向けられるようになり、心に余裕が生まれます。

ステップ3:外側に合わせる基準をゆるめて、「私はどうしたい?」を確認する

「人として〇〇であるべき」「〇〇であってはいけない」など、私たちは、心の中にさまざまなルールを持って生きています。ただ、そのルールばかりを重視していると、自分の気持ちを置いてけぼりにしてしまうことに。

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「〇〇な人でいなくちゃ」と、他人の評価や世間の常識に合わせようとしている自分に気づいたら、「私はどうしたいかな?」と自分の気持ちを確認するようにしてみてくださいね。

ステップ4:「どんな気持ちも感じていい」と許可を出す

「自分の気持ちを優先しようにもよく分からない……」
そんな人は、もしかしたら、過去の経験等から「自分の気持ちや意見は出さないほうがいい」と強く思ってきたのかもしれません。

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でも、わからないからと言って、自分の気持ちが「ない」わけではないんですよね。
「イライラする」「モヤッとする」など、言葉にならない感覚が出てきたら、「どうしてそう感じるの?」と自分の気持ちに耳を傾けるようにしてみてください。
どんな感情もジャッジせず、自分の気持ちに寄り添っていくうちに、「どんな気持ちを感じてもいいんだ」という安心感から、自分の気持ちをキャッチしやすくなります。

ステップ5:人と自分の境界線を意識する

お互いにとって心地のいい関係性が築けているとき、そこには、相手と自分の間に、健全な境界線が引かれているんだな、とイメージしてみてください。

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頼まれごとを断れない、人のことでいつも忙しい……という人は、この境界線があいまいになっている可能性があります。

たとえば、相手との中間にあるはずの境界線が、自分のスペースが小さく狭くなる位置にズレていたら、とっても窮屈ですよね。

そういう時は、きちんと「NO」を言うことで、お互いにとって心地がいい場所まで境界線を戻す必要があります。
ちゃんと断ることは、心地よい関係性を築くために大切なことなのです。

ステップ6:他人の感情のお世話をやめてみる

「人の役に立たないと」「助けないと」と思いすぎてしまう人の場合は、逆に、自分から境界線を超えて他人のお世話をしすぎているケースも。

「あの人が不機嫌にならないように」「悲しい思いをしないように」など心配な気持ちからついつい……というケースに心当たりがある人は、他人の感情のお世話をしてきた自分に気づいて、少しずつやめていく練習をしましょう。

まずは自分の感情に意識を向ける。そこから自分軸が育ちますし、自分のことも人のこともより信頼できるようになります。

ステップ7:自分の希望や意見を伝えてみる

「まわりの人に迷惑をかけてはいけない」とつい自分を後回しにしてしまう人は、小さなことからでいいので、自分の希望や意見を伝える練習をしてみてくださいね。

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「なんでもいいです」と言いがちな人は、「これがいいです」と希望を言ってみる。
「(本当は困っているのに)大丈夫です」と言いがちな人は、「実は困ってまして……」など、本当の状況を伝えてみる。

もちろん、希望を伝えても通らないことはあるでしょうし、本当の状況を伝えても何も変わらないかもしれません。

でも、大切なことは、「自分の希望や意見を伝えてみた」ということ。

・相手も私も、同じように、自分の希望や意見を言っていい。
・NOを言うことも、言われることも、どちらもあって大丈夫。
この感覚を経験していくことで、健全な「自分軸」が育っていきます。
 

いかがでしたか。

ここまでお読みいただければ、「自分軸」で生きるとは、決して自分だけを優先してワガママになることではないと、おわかりいただけたのではないでしょうか。

自分の気持ちに寄り添うことで、心に余裕が生まれ、より相手の気持ちにも寄り添いやすくなります。

いつもまわりの人を大切にしようと頑張ってきたあなたが、どうか自分にもやさしくできますように。そして、心に余裕をもって、自分も相手も大切にする心地よい関係性を築いていけますように。

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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