教えてくれたのは……渥美まゆ美(あつみ・まゆみ)氏
管理栄養士/フードコーディネーター
メニュー開発、商品開発、出版、メディア出演、イベント出演、食プロデュースや様々な企業の健康セミナーなど、「美味しい食事を楽しみながら元気でいること」をモットーに活動中。
『世界一ラクチンな栄養ごはん』(西東社)など、出版実績も多数。
季節の変わり目でなりやすい、『季節性うつ』とは?
「季節性うつ」とは、季節の変化が原因となるうつ病のひとつで、男性よりも女性に多くみられます。「季節性うつ」の原因の1つとして「セロトニン」の分泌量が減少することが考えられています。急な気温変化による食欲不振や自律神経の乱れにより、セロトニンが低下することで、不安やうつ・パニック症などの精神症状を引き起こすこともあるといわれています。
(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」)
うつ対策に重要な3つの栄養素とは?
そんな「季節性うつ」と関係の深い「セロトニン」ですが、管理栄養士の渥美まゆ美氏によると、「セロトニン」を作るためには、体内で作ることができない必須アミノ酸の1つ「トリプトファン」と「ビタミンB6」「炭水化物」の3つが必要不可欠とのこと。
この3つの栄養素をバランスよく含まれているのが『バナナ』なのです! 不調になりやすいこの時期に積極的に食べていただきたい食材です。
バナナは秋バテ対策に重要な栄養素も豊富!
バナナには秋バテ対策に必要な栄養素「糖質」「アミノ酸(トリプトファン)」「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」が含まれています。
寒暖差が激しい気候は、自律神経のバランスの乱れを引き起こしやすく、それが秋バテの原因にもなります。 入浴時は湯船に浸かる、睡眠をしっかりとる 、適度な運動を心がける、こまめに水分を補給する、栄養バランスの良い食事を心がけるなどもあわせて実施するとよいでしょう。
バナナはダイエットにもよい?
中くらいのもので1本103kcalとダイエット中のおやつにもぴったり!
朝食などに食べる場合は、ヨーグルトなどと一緒に食べると「タンパク質」を補うことができます。また「乳酸菌」もプラスできて、お腹の調子も整います。バナナに含まれる「食物繊維」や「カリウム」は便秘やむくみに効果的なので、相乗効果も狙えます。
またバナナの栄養素のひとつに「糖質」があります。糖を摂ることで血糖値がほどよく上がり、腹持ちがよく、満足感もあります。一方で、豊富な食物繊維のおかげで、血糖値の急上昇は抑えることができます。食前に食べれば食べすぎ防止にもなり、バナナはダイエット中の方にも嬉しい食材です。
お菓子類と比較すると栄養素が豊富!
バナナには、「食物繊維」「ビタミンB6」「カリウム」の3つが含まれており他のお菓子と比べても栄養価が高いことがわかります。食物繊維は、便秘の予防効果も期待できます。腸内細菌のバランスによって健康状態が左右されるとも言われているので、健康や美容のためにも食物繊維が含まれるバナナはおすすめの食材。また、ビタミンB6は酵素の働きを助ける成分として、多くのアミノ酸の代謝を助けることができます。カリウムは塩分の摂りすぎを調節するため、現代人の食生活に不可欠な栄養素ともいえます。
なんとなくお菓子を食べるなら、バナナを食べたほうが健康にはよいと言えるでしょう!
手軽に取り入れるための、バナナの冷凍保存方法
傷みやすいと言われるバナナですが、実は冷凍保存が可能なのです! 冷凍保存しておければ、簡単に取り出すことができ、生活の中に手軽に取り入れることができます。
つぶして冷凍する方法
1.バナナを半分の大きさに切り、サランラップ®に挟み、手のひらで押しつぶし、そのままサランラップ®で包みます。
2.「ジップロック®などのフリーザーバッグ」に入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍保存。
カットして冷凍する方法
使いやすい大きさに切り、使いやすい分量ずつサランラップ®で包み、フリーザーバッグに入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍保存。
使うときは?
半解凍でそのまま食べたり、スムージーやデザート・お菓子作りに利用します。ただし、解凍しすぎると褐変したり水分が出てしまうので、注意が必要です。また、カットして冷凍したものは室温に数分出す程度にして、解かしすぎないようにしましょう。つぶして冷凍したものは、あまりかたくならないので、室温で放置せずすぐに利用できますが、デザート・菓子作りに利用する場合は、解かしすぎに注意して、つぶせるかたさまで室温においてから利用します。
これからの季節の強い味方になりそうなバナナ。生活の中に取り入れてみるのはいかがでしょうか!