教えてくれたのは・・・・・・和洋女子大学 多賀昌樹准教授
管理栄養士、博士(医学)。徳島大学医学部栄養学科卒業。
米国テキサス大学医学部外科栄養免疫部門研究員、北里大学保健衛生専門学院管理栄養科学科長を経て現職。
研究分野は機能性食品の臨床栄養管理への応用とそのメカニズムの解明。
そもそも……海藻が腸活に良い理由とは?
腸活には食物繊維がいいという知識を持っている人は多いと思いますが、海藻にも食物繊維が含まれています。
食物繊維は大きく2種類あり、主に野菜に含まれる水に溶けない「不溶性食物繊維」と、主に海藻や大麦などに含まれていて水に溶ける「水溶性食物繊維」とがあります。腸内細菌のエサになるのは、海藻などに含まれる「水溶性食物繊維」だけで、野菜に含まれる「不溶性食物繊維」は、腸内細菌のエサにはなりません。
数ある「水溶性食物繊維」の中でも、海藻に含まれるものは水に溶けるとゲル状になるので、最も腸内細菌のエサになりやすいと言われています。
腸内細菌のエサが多くなると、活発に動くようになり、腸内環境がよくなるようです。
実はこんなにあった!腸活におすすめの海藻たち
ひじき
カルシウムが豊富に含まれており、特に女性におすすめ。また、現代日本人の多くが不足しているミネラルであるマグネシウムもとることができます。マグネシウムは、カルシウムの吸収を助ける作用があります。
ひじき煮だけでなく、混ぜご飯やハンバーグなど、献立に取り入れやすい海藻でもあります。
めかぶ
めかぶに含まれるフコキサンチンという成分は、体重や体脂肪を減少させる効果が期待できます。また、めかぶには、塩分の排出を促す効果があるため、めかぶを食前に食べるだけで約1g減塩することと同じになります。
そのほか、糖尿病予防、免疫アップ、便通改善などにも期待ができます。
スーパーでパック詰めされて売られているため、手に入りやすい食材です。
青さ
食物繊維が豊富な海藻の一つです。マグネシウムも多く含まれており、その含有量は食品中No.1! 便秘予防、高血圧予防、糖尿病予防に期待できます。
定番の磯辺揚げのほか、あんかけなど青さの香りを生かせる料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
あかもく
食物繊維のほか、各種ミネラルも豊富に含まれています。また、むくみ対策にも良い影響がある海藻です。
あかもくの褐色のもとであるフコキサンチンという色素には、肥満予防、糖尿病予防の働きがあることが報告されています。
なかなかなじみがないという方もいるかもしれません。めかぶなどと同様に、三杯酢や納豆などに混ぜるほか、サラダ、スープ、食べるドレッシングなどアレンジの幅がある海藻です。
腸内の環境を整えることは、健康を保つことにつながります。ぜひ、海藻を食卓に取り入れてみてください!