食後のデザートにフルーツを食べるのはNG!医師が推奨する“果物を食べるベストタイミング”とは?

心と体

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2023.09.23

食事の後のお楽しみとして果物を食べるのを習慣にしている方も多いのではないと思いますが、「じつは健康のためには果物を食べるタイミングに工夫が必要」なのだと、医学博士、循環器内科専門医の藤井崇博先生はおっしゃいます。果物は、いつ食べるのがベストなのでしょうか? 今回は「健康によい野菜と果物の種類」と「果物を食べるときに意識するとよいポイント」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……藤井崇博(ふじいたかひろ)先生

藤井崇博先生

医学博士、循環器内科専門医。
専門領域は循環器内科で、2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事。最近では循環器疾患含む内科外来の他にも、SNSやその他コラムなどでの健康に有益な情報の発信にも力を入れている。

健康によい「野菜」と「果物」おすすめ18種

健康な食生活を送るために、野菜と果物を意識して摂取するようにしている方も多いと思います。せっかく食べるなら、体によりよいものを選びたいところです。どのような野菜と果物を食べるとよいのでしょうか? 

藤井先生「特におすすめの野菜と果物は、下記のとおりです。

健康によい野菜出典:www.photo-ac.com

1.モロヘイヤ:β–カロテンが豊富なだけでなく、カルシウム、葉酸、食物繊維などさまざまな栄養素を多く含みます。

2.ほうれん草:鉄分が豊富で、そのほかビタミンC、カロテン、ビタミンB群などをバランスよく含みます。ほうれん草は通年出回っていますが、旬である冬のものは甘みが強くなっています。

3.ピーマン(パプリカ):完熟した赤・黄ピーマンは、ビタミン Cの含有量がトップクラス。また、カロテンを多く含むのも特徴です。

4.トマト:β–カロテンやリコピン、ビタミンC、ビタミンE、カリウムなどを多く含みます。最近では甘い品種も多く出回っており食べやすくなっています。

5.ブロッコリー:ビタミンCや葉酸、カリウムなどの栄養素を多く含みます。

6.小松菜:カルシウムを牛乳並みに含むのが特徴です。そのほかβーカロテンやビタミンCを含みます。

7.かぼちゃ:β–カロテン、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンC、カリウムなど多くの栄養素を豊富に含んでいます。

8.にんじん:β–カロテンが野菜の中でもトップクラスです。ほかにもカリウムや食物繊維を含みます。βカロテンには抗酸化作用があるとされ、体内でビタミンAに変換されます。βカロテンの補給は、認知機能、記憶、紫外線に対する防御を向上させ、特定のがんのリスクを下げることにつながるとする研究もあります。

9.キャベツ:ビタミンCや胃を保護するビタミンU(キャベジン)、食物繊維などが含まれています。

10.れんこん:でんぷんが多いので、加熱をしてもビタミンCが損なわれにくいのが特徴です。また、食物繊維やポリフェノールなども多く含みます。

健康によい果物出典:www.photo-ac.com

11.りんご:食物繊維が豊富なだけでなく、ケルセチンと呼ばれる抗炎症作用のある植物性化合物も多く含んでいます。

12.カンタロープメロン:目の健康に欠かせないビタミンAを取るのに最適な食べ物のひとつです。

13.柑橘類の果物:抗炎症作用、抗酸化作用、がんを抑える特性で知られています。中でもオレンジは、免疫機能を高め、エネルギーレベルを維持するのに重要な役割を果たすビタミンCが特に豊富です。

14.ブルーベリー:骨の健康を支え、傷の治りを助けるビタミンKを取るのに最適な食べ物のひとつです。抗酸化物質が多く含まれており、認知機能や骨の健康、心臓の健康の向上につながるとされています。

15.プラム:桃やネクタリンといった多くの人気フルーツに比べて、抗酸化物質であるポリフェノールが2倍以上含まれています。

16.いちご:カロリーが低く、葉酸が豊富でビタミン Cもオレンジより多いです。葉酸は赤血球の生産や健康的な細胞の成長にとって重要で、妊娠初期の女性にとっては特に大切な栄養成分です。

17.マンゴー:ビタミンC、葉酸、βカロテンが豊富です。

18.チェリー:抗炎症作用で知られています。また、チェリーに含まれるポリフェノールは、消化管の健康を支えるとする報告もあります。

他にも、ネギ類や葉物野菜、ブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科の野菜を習慣的に食べている人はそうでない人に比べて、心臓病になりにくく、寿命が長いという報告が多くあります。

果物には食物繊維が豊富に含まれているものも多く、これらは腸内環境を整え、糖分の吸収をゆるやかにしたり、コレステロールの吸収を抑制したりするのに効果的です。糖分の吸収が和らぐと血糖値の急激な上昇が避けられるため、糖尿病の予防や血管の老化が抑えられます。実際、定期的に果物を食べている人では心血管病、大腸ガン、うつ病などのリスクが低くなることが報告されています。」

それぞれの食品に含まれる栄養素や効果を知っておき、自分に必要なものを選んで上手に取り入れるのがベストなのですね!

健康のためには、果物を食べる「量」と「タイミング」を意識する

藤井先生によると、「いくら体によいからといっても、果物をたくさん食べたらよい」というわけではないのだそうです。果物を食べるときの注意点について、教えていただきました。さらに、“食べるタイミング”も重要なポイントになるのだそうですよ!

藤井先生「神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)による死亡率だけは果物の摂取量と無関係ですが、ガン、心血管疾患、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)による死亡率は、果物の1日の摂取量が増えるにつれて下がっています。
ただし、1日の摂取量が増えすぎると、リスクは横ばいか、やや上がってしまいます。特に心血管疾患は、食べすぎるとリスクが上がるので、『1日に2サービング程度』がベストな量です。

果物を食後すぐに食べるのは控えるのがベター出典:www.photo-ac.com

推奨される1日2サービングの量とは、
1サービングの目安は、りんご1個 or オレンジ1個 or バナナ1本 or キウイ2個程度です。
2サービングはその倍なので、結構な量が摂れることがわかります。

果物に含まれている糖質のうち、果糖(フルクトース)は血糖値を上げません。しかし、果物にはブドウ糖(グルコース)やショ糖(ブドウ糖+果糖)も含まれているので、食べると血糖値が上がります。そのため、食べ過ぎないように適量を摂取するようにし、食べるタイミングなどの工夫も必要です。

では、いつ果物を食べるのがベストなのかというと、血糖値が下がったタイミングです。
果物を食べるときでも普段の食事一食分と同じ程度で血糖値は上がるので、食事と一緒に、あるいは食後すぐに果物を食べると、血糖値が上がりすぎてしまいます。食後のデザートとして果物を食べる習慣のある人もいると思いますが、とくに血糖値の高めの人は控えていただいたほうがよいと考えます。

食後しばらくして血糖値が落ち着いたタイミング、つまり食後3時間ぐらい経ってから、果物を間食として食べることをおすすめします。あるいは、早起きの人は、朝一に果物を食べた後に少し活動をして、血糖値が下がってきた2~3時間後ぐらいに朝食を摂るという方法もあります。朝が早い人にはこちらの摂り方がおすすめです。
さらに理想を言えば、血糖値が下がっているタイミングで果物を食べ、その後に体を動かすと血糖値の急上昇を抑えられます。ぜひ試してみてください。」

「野菜」は、お腹いっぱいになるほど食べても病気のリスクは低い

野菜はお腹いっぱい食べても病気のリスクは低い出典:www.photo-ac.com

藤井先生「『野菜はたくさん食べましょう』とよく言われますが、その量は実際どれくらいなのという疑問があると思います。野菜の摂取量と死亡率についても、複数の研究結果を取りまとめた報告が出ています。
研究結果を見ると、全体の死亡率も、心血管疾患、呼吸器疾患、神経変性疾患による死亡率も、野菜を食べる量が増えるほど低下する傾向にあります。

どの程度の量でリスクを低下する効果があるのかと言うと、呼吸器疾患や神経変性疾患などに関しては、1日4~5サービング(1サービングの目安:葉野菜のサラダ1カップ(75g)、冷凍野菜2分の1カップ(75g))まで、食べれば食べるほど病気のリスクが下がっていきます。

心血管疾患だけは4~5サービングくらいになるとリスクが多少増えているので、上限を3サービングを目安に考えるとよいと思います。3サービングであれば、かなりの野菜を摂取することが必要になります。つまり、野菜に関しては毎食お腹いっぱいになるぐらい食べても病気のリスクは上がらず、健康面でメリットしかないのです。」

そこで、栄養を手軽に摂取できそうだからと“野菜や果物のジュース”を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、藤井先生によると「ジュースでの摂取は注意が必要」なのだそうです。詳しくは、次回の記事でご紹介します。

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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