スプーンに映った反射で部屋の間取りがわかる?
昨今SNSでの個人情報漏洩が問題となっています。
顔も年齢も個人名も出していなかったとしても、SNSの投稿に映りこむ様々な情報から個人情報が推測できてしまうんです。
例えば、
- 家のベランダから映した風景を載せる+別の投稿で「家から駅まで徒歩〇分」と言っている。→住んでいるマンションが特定される。
- 電車が事故で遅延していることを呟く+「終電間に合った」とリアルタイムで投稿。→沿線や最寄り駅、生活パターンを推測される。
- 近所で火事や事件があったと投稿+別の投稿で写真にスーパー袋が映りこむ→住んでいる地域や生活圏が把握される。
何気ない投稿でも見る人が見れば、個人情報を特定できてしまうんですね。
過去には、「アイドルの瞳に映った風景から住所を割り出した」と話すストーカー加害者もいました。
他にも、料理の横に置いたスプーンやレンジの中を写そうとしたときの反射から、部屋の風景や間取りを推測できてしまうんです。
中高生がトラブルに巻き込まれずSNSと付き合っていくにはどのような注意が必要でしょうか。
親子で考えたいSNSの危険性について考えていきます。
どんな危険性があるのかを共有するのが第一
「危ないから使いすぎないように」と伝えても、どんなトラブルに気をつければよいのかピンときませんよね。
先に挙げたような、「特定されうる情報の書き込み」に注意するとともに、以下のような問題も共有しておくとよいでしょう。
- 喧嘩になった際、感情的になり、友達のことをブロックしたり、グループから外す。見られていないと思って悪口を書き込む。→いじめの加害者になってしまう。友達がスクリーンショットをして本人のもとに届くこともある。
- やり取りしている相手が「同じ性別・年齢、近くの中学に通っている」などと話しており、意気投合し実際に会いに行った。→SNSの情報とは全く異なる人物で、連れ去られたり被害にあう。
- 無料のゲームを楽しんでいたら、「警告サイン」が出て、クレジットカード情報入力画面に誘導された。→「今すぐ~しなければデータが消える」「情報は登録するのみでOK」と表示していたので、親の財布からこっそり借りて入力してしまった。
身近な具体例を知り、危険性を理解しておくのが第一に重要です。
トラブルに巻き込まれそうになったときの対応を考えておく
SNSで投稿している内容は親に知られたくない子がほとんど。
しかしそれゆえ、問題がこじれて手がつけられなくなってからようやく親に打ち明けたり、時間が経って問題が悪化したあとに発覚するトラブルも多いんです。
もちろん親や先生に言えればよいのですが、一人で抱え込んでしまうよりは安全な相談先に繋がってくれた方が安心ですよね。
親には言えないけど相談したいことがあったときは、文部科学省や都が推奨している相談窓口に繋がれるように事前に情報共有しておくのが大切です。
SNSは大人になっても長く付き合っていくもの
小中学生の間は、スマホに制限をかけるご家庭も多く、危険なサイトと繋がらないよう対策することができます。
しかし、高校生・大学生になって制限が外れたとき、ネットリテラシーを理解していないとSNSを利用してトラブルに巻き込まれてしまいます。
SNSは今後長く付き合っていくものですし、ゆくゆくはその子1人で扱っていかなければならないものです。
ネットで繋がっている顔の見えない相手にも心があること、常識と非常識の線引きを間違えてはならないことをしっかり伝えていけるといいですよね。