伝える人…みやむらけいこ
大阪府にて阪神淡路大震災を経験。その経験値と取材力を生かし、防災講座の企画から実施までの経験を持つライター。防災チームのお手伝いをする傍ら、多数の関連のセミナーやイベントに出席することで防災スキルをアップデート中。
揺れた次の瞬間にやること!
緊急地震速報が鳴ったら、まずは揺れに備えて身体を守ります。もしも自宅にいるなら、家族の無事を確認して、離れて暮らす家族や親戚縁者と取りつつ最初にやることは「家じゅうの水道を全開にして水をためること」。
とにかく水を確保!
断水する、その瞬間にも水道管には水があります。またマンション住まいなら給水タンクには水はあるはず。その水を獲得するために(停電している場合はストップする場合も)水道栓を全開にして、とにかくたくさん水を溜めます。浴槽に溜めた水は、手を洗ったり身体を拭くのに使い、キッチンや洗面所で容器に溜めた水は飲料水にします。
断水したらペットボトルで給水所へ
今回の地震でも給水所は長蛇の列でした。並ぶ人々を見ると圧倒的に男性ばかり。それも大きな10~20リットルのタンクを抱えて。
10キロ以上の水を持ち歩くことは、女性や子どもたちはかなり厳しい作業。しかし、発災当初は給水にも制限があり、1度につき6リットル(6キロ)程度しか給水できなかったのだとか。
大きなタンクに入った10キロもの水は運べませんが、2リットルや1リットルのペットボトルでなら、女性や小学生でも運べます。リュックでなら、手で持つよりも1.5~2倍の量が運べます。
さて、何から食べる?
物資が届くまでの3日間程度は備蓄した食料過ごさなければなりません。まずは冷蔵庫や食糧庫をよく見てみましょう。もしも電気やガスが使えず、石油ストーブやカセットコンロの備えも無いなら、そのままで食べられる野菜や納豆、ハム、ちくわやかまぼこ、チーズ、豆腐、常備菜などから食べます。
乳製品やヨーグルトも早めに。炊飯器にごはんがあると安心するので「いつもご飯は多めに炊いておく」という被災経験者さんも多いようです。
停電したら自然解凍待ちで
停電が続くと、冷凍庫に入れてあった冷凍食品や余りご飯やパンなどが自然に解凍されてくるので、次はそちらへシフト。ライフラインが止まったままでもこれで少しは凌げます。
開け閉めを最小限にすれば、季節や地方にもよりますが、冷蔵庫は2日ほど、冷凍庫でも2日ほどは庫内が冷たいままのようです。
避難所に行ってみる
あまり知られていませんが、家で生活していても、避難所の炊き出しやおにぎりなどをもらってくることが可能です。温かいものや、赤ちゃんのミルクや離乳食など、必要なものを切らしてしまったときには近くの避難所へ行ってみましょう。
食料だけでなく、必要物資の配布やスマホの充電、高齢者や障害を持つ人、ペットと一緒に避難したい人の受け入れ情報や、相談窓口を知ることができます。
アルファ米とカップ麺
ひとまず、災害直後に役立つことをお伝えしましたが、今できることももちろんたくさんあります。
1つめは使い切った後でも給水に使えるペットボトルの水を準備しておくこと。2つ目はアルファ米などの食料の備蓄。おかずが無くても食べやすい味の付いたご飯と、一時SNSで評判になった「水でも30分ほどたてば食べられる」カップ麺もオススメ。
恐れる心を準備でケア
被災地の様子をメディアで見て、心にダメージを負ってしまった人は「準備すること」に気持ちを向けて、どうか前向きに過ごせるように心がけてください。
心配でならない…そんな気持ちを募金や支援物資の提供、ボランティア活動に向けて、ひとりひとりが「できること」を見つけることが大切ですね。
※取材・執筆した以下の記事に新たな情報を加えて2024年1月に再編しました。
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